第17話 うわ、暑苦しっ!

 

 

『…………っっっっ聖龍様ぁああああああああ!!!!!!』


 それこそバビュンっ! という描き文字が書いてありそうな勢いで、あっちゅうまに大きくなる蒼いカタマリ……と、大きくなっていく声のボリューム。


 私は聖龍イザミンの知識もあるから何を言っているのか伝わってるけど、おそらくヒトなんかには『GYAAAAOOOOOOOO!!!!!!』っていう爆音に聞こえるんではなかろうか。


 うん、そうだね。これはどう見たってバカでっかい蒼いドラゴンです。


『聖龍様ぁああああ~~~~っ???? ……が猫にぃいいっ?!』


 器用に空中で急停止して、ひん剥いた目で驚いている蒼ドラゴンさん。っていうかウルサイです。


『落ち着け戯けめ。何処をどうたがえば妾に視えるんじゃ御主は?』


『この声は聖龍様っ!? ……うおおぉお??!!』


 ぽえん、と許可する相手には視えるモードで現れたちんまい聖龍イザミンの姿に、オーバーリアクションでのけぞる蒼ドラゴンさん。ロケしてる若手芸人みたいだなぁと失礼なことを思ったのはナイショである。




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 空中で立ち話(飛び話か?)もできない内容なんで、龍脈の泉(と私のマップには出ている)の畔に急遽植物属性魔法でこしらえた不格好な木のイスと丸テーブルを設置。


 蒼ドラゴンさんには人化して降りてきてもらい、かくかくしかじかご説明タイムをば。ある程度の高位竜は気まぐれで街に行ったりするのによく化けてるんだそうな。


 ……で、一通りイザミンから話を聞いた蒼髪のゴリマッチョイケオジこと今代の蒼竜そうりゅう守護役、蒼炎ソウエン・ヴェンデラッタが、やおら立ち上がると丸テーブルに載っていた私に近づいて跪き――いわゆる臣下の礼とやらをとっちゃってるんですけども。



「聖龍パナイ様。 ……いな、お嬢! この蒼炎・ヴェンデラッタを貴女様の臣下に加えて頂きとう御座います!」

 

 

 

 

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