第16話 あいきゃんふらい?

 

 

「お~。この森デカ過ぎじゃない?」


 私こと二代目聖龍、改め聖龍パナイ(♀)爆誕。と同時にカミサマによって押し付けられた、改名祝いのコウモリみたいな翼(消去不可)。


 どうせ消せないんなら、与えたカミサマがドン引きするぐらいに使い倒してやんよ! というワケで早速試運転。レッツフライ!


 飛ぼうとするんじゃなくて浮かぼうと思えばどうにかなる、というザックリしたイザミンのアドバイス通りに ”なんかいい感じに浮かべ!” と適当に念じたら、なんとなく上手く行きました(ザックリ)。


 龍脈の泉(適当に命名)の真上へゆるっと上昇すること、ぴったり333メートル。高さが分かればなぁと思ったら高度表示がピコンっと、その場でぐるっと見回したらスキャンしたらしく、マップと方角が連動してクルクルしてます。我ながらスゲ~。


 ハタから見たらシュールだろうなぁ。コウモリっぽい翼が背中に生えてる銀灰色の猫が空に浮いてたら。


『少しは戸惑うものかと思うておったが。いとも容易くやりよってからに……』


「ゲームとかでこういうの慣れてるからかな? 考えてやったら絶対できないもん、こんなの」


 空をグルングルン飛び回るゲーム、子供の頃おばあちゃんの家でよくやったなぁ。ハマりすぎて夢の中でもやってたぐらい。


 ありがとうゲーム屋さん。こんなところで役に立ってますよ!


『げえむ? ……其方そなたの居った世界は風変わりじゃの』


 私の記憶を読み取ったらしいイザミンが首をかしげ――ふと何かを感じ取ったのか、とある方向へ顔を向ける。


『気付きおったな。 ……全く、相変わらず自らの使命を判っておらん阿呆あほうめが』



『…………っっっっ聖龍様ぁああああああああ!!!!!!』

 

 

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る