第12話 やっぱり、わかってないかも?
遺憾ながら、誠に遺憾ながら、イザミンの呼び方 ”おねかーさん” は一旦保留になりました。即却下じゃないだけマシか……。
『今後の方針、とやらは理解した。ならばまずは名付けからじゃな』
なつけ……ああ、私の名前か。イザミンには即行で付けちゃってたから、すっかり忘れてた。
「名前ねぇ……。そういえば、私って前世の名前を憶えてないんだよね。これってカミサマに消されちゃってたりしてる?」
『そんな事は無いぞ。 ……ただ、思い出せぬように封印がされておる。妾が干渉して破れはするが……どうする?』
「……今は要らないかな。ただ消すんじゃなくて封印ってのが意味ありげで怖いけど」
お情けなのか、優しさか。私はまだ完全体ではないとも言えるし、後々なにかに必要になってくるのかね?
「やっぱり名前ってあったほうが良いの? 個人的には必要ないんだけど」
これは前世の頃からそう。身近な持ち物には多少の好みや執着があったんだけど、私自身となると急に興味が無くなるのだ。
まずもって、容姿からして普通。というか地味。クラスにすぅっと溶け込み過ぎて、同窓会で会ったときにこんな子いたっけ? って顔されそうなタイプ。
高校の時なんて、教室と食堂と図書室の三角形が成立するんじゃないかってくらいパターン化してたっけ。
……ありゃ? これって、いわゆるぼっちってやつかも知れない。あまりにもしっくりしちゃってて、今まで気づかなかったや。
『妾の場合は他に同族が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。