第8話 なんかいろいろと、軽っ。

 

 

 私こと二代目聖龍……猫だから聖獣かな? は、この世界のカミサマによって大地に残っていた初代聖龍ことイザミンの肉体の記憶と生命エネルギーを卵の白身に、私の魂を黄身にしてカミサマパワーでとろ~り半熟卵に、その外側へカミサマ特製スパイス入りのハンバーグだねをまぶして聖なる気の衣を纏わせ、絶妙に焼き上げた卵入りハンバーグのようなものらしい。


 あ、イザミンっていうのは名前が無いっていうんで私が付けました。日本の地母神はイザナミノミコトだから。異論は異世界なんで受け付けられません。


『……で、其方そなたの思い描いたとやらになったが。これには何の意味があるんじゃ?』


「カワイイからです!」


『か、可愛い? ……それは其方の嗜好かの?』


「YES!」


『そうか……。妾が可愛い……』


 只今、モフいぬいぐるみみたいにちんちくりんな見た目になったイザミン(私にしか見えてません)がモジモジしております。イイネ!


 これは変更自由自在な私専用アシスタントのアバターみたいなもの。将来的には式神みたいに実体化できなくは無いけど、今の私では無理らしい。そりゃそうか、まだ生まれたばかりだもんね、私。



 カミサマによって生み出された子猫の私。二代目聖龍なのに猫とはこれいかに? というのは、私が猫好きだったからなのと、残されたイザミンの生命エネルギーでは大型の龍のようなサイズにできなかったのー、ゴメン! というカミサマからのログが残ってました。ノリが軽いなカミサマ。


 その代わりにちっちゃくても高性能にはなってるハズだから、サポート役のイザミンにビシバシ鍛えてもらってそのチカラを存分に使いこなしてね! だそうな。えぇ~……。


 イザミンいわく、泉の地下にある龍脈の核となった彼女へ私が接続され、彼女から認証を得られると自動的に主従関係が結ばれ、制限されていた能力を全開放アンロックするようにあらかじめそうで。さっきからしれっと言葉が喋れるようになっているのも、この限定解除のせいだったりする。


 聖龍の後継者として生み出しておきながら、眷属として妾に支配権を握らせる事で勝手な振舞を許さず、神にとって使い勝手の良い駒に仕立てたかったのであろうな、とのこと。


 私が調子に乗ったあげくに泉の周辺を探索しまくって、うっかりイザミンを起こしてしまうっていうのも、多分カミサマにそうなるように踊らされていたんだろうなぁと思うと……おお怖っ。

 

 

 

 

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