第5話 やるんじゃなかったってのは、やってからしか言えません。
泉周辺の半径数百メートルをぐるっと見渡した結果、今すぐに問題になりそうな外敵はいなかった。
いたのは攻撃性の低そうな小型の鳥たち、リスのような小動物、花々を飛び回る虫と蝶のような昆虫類。そして、子猫(?)である私よりも一回りほど大きいカラフルな鳥が十数羽。
泉の中には小魚と貝類、エビのような甲殻類、ミリ単位の微生物が無数(認識するんじゃなかった……)。
木の表面とか草の中、地中にも大量の微小な虫がいるとは思うけれど、泉の微生物を見てしまったので意図的に引っかからないようにしておいた。その辺を歩けなくなっちゃうからね。
念のために周囲の地中の浅い部分も見ておく。さすがに物理的な密度が高くなるからか、周囲に漂う光のもやを吸い込む量が一時的に増えたけれど、疲れて動けなくなるなんて事にはならなかった。
結果は、モグラのようなものが作ったトンネルらしき穴が多数と、アリのような巣らしき空間。わらわらといる様子は見たくないので、目立つ空洞を探すようにしましたよ。
ここまでくると今の私の限界がどのぐらいなのかを見てみたくなって、地中を探る方法を変えてやってみることにした。
今までは均一にレーダー(のイメージでやっている)を当てて地中を根こそぎ見るようにしていたけれど、それを1本の針のような形にして出来るだけ深く刺さるようにし、それを等間隔に並べて全体像を浮かび上がらせるという手法に変えてみる。
特になにも無ければその区画はスルー、なにか反応があれば針を並べる数を増やして密度を上げる。
……そしたらうっかり開いちゃいました、パンドラの箱が。泉の底というか、さらにその奥深くにあるバカでっかい存在を。
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