第16話 聡子の心の変化

中筒の感情の育む取り組み以降、聡子の心にも変化が表れるようになる。


中筒の心情が少しずつ理解できるようになり、会話も今まで以上にスムーズとなっていく。


中筒は相変わらず、りおに会えないのが寂しく、その表情からも聡子は理解できるようにも。


また、自分の中にある中筒に対しての「愛おしい」と言う想いにも気がつき始めていた。


男女間での「愛」といかないまでも

聡子の中では中筒に対しての

愛が育っていった。


一方中筒はりおへの寂しさや、自分の心情を聡子が理解してくれる事に何だか嬉しく感じ、素直に気持ちを打ち明けるようになっていった。


そうして二人はやっと仲良く夫婦?をやれるまでになるのだ。



「やっとここまできましたねぇ。」

聡子の父であるアメノミナカヌシ様は安堵する。


「りおはどうしていますか?」

アメノミナカヌシ様からの言葉に他の創造神様は

「お父上様の中で眠っております。」

そう告げた。



俺は父に呼ばれアレンこと、りおの側にいる。りおは父の中で眠っている。


久しぶりに見るりおの姿に涙が出る。

改めて三神様に感謝でいっぱいになるのだった。



上筒は琴音と話していた。

りおはどうしているだろうかと。


何処の娘なのか。

どういう理由により自分達が育てなければならないのか。


ただ、中筒は本当によかったと思える上筒だった。

これで「愛する」事を知っていければ。。

そう思わずにはいられなかった。


そうなんだ、中筒は自らその「愛する事」を拒絶してきたのだ。

それにも理由があった。


まだ、若かれし頃の中筒。

神様にもまだまだなそんな頃の出来事が中筒から「愛する」を奪ったのだ。


中筒は愛したくても愛せないのではない。

「愛」そのもに否定的だったのだ。


「愛」など不要であり、邪魔だと。


だからなのか、論理的思考ばかりが育ち、中筒が元々持つ精神性の高さにも限界がこようとしていたのだ。


全ては論理や筋道などの道理などでまかなえるとそう、自負していたのだ。


その根源となった出来事、そして

「愛など不要であり、邪魔である」

とした中筒になったのを知る者はわずかだけだった。


上筒、底筒は勿論知っていた為、心を痛めていたのだ。


俺や父達、創造神達も知っており、

中筒の成長の妨げとなっている

「愛の不要」を覆す取り組みと言うわけなのだ。


その出来事とは・・・



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