第14話 中筒、りおと対面する
中筒の腕から逃げられないりおは半分諦めそのままでいる事に。
腕の中から中筒を感じ取るりお。
今まで感じたのとは確実に違う。
そう、思った。
恐怖心は無くなり、不思議な感覚だった。
ふわふわした感覚を覚える。
そのふわふわした感覚は正に中筒からのものだったのだ。
暫くして目覚めるのだ。
そう、中筒がだ。
びっくりするのは、りおではなく中筒だった。
固まる中筒。
りおを抱きしめている自分。
なぜだ?
全くわからない。。。
だが、りおは泣き出さない。
そればかりか、キョトンとしている。
(私が恐くはないのだろうか?)
中筒はそう思った。
りおは中筒の腕の中でおとなしい。
中筒は話しかけてみた。
「私が恐いか?」
りおは首を振る。
「恐くない・・・」
中筒は初めてりおと会話したのが、嬉しい。
「そうか。。恐くないか。。」
思わず微笑んでいた自分に驚く。
りおもニコニコとしてみせた。
中筒の表情が一変する。
(初めて笑った。。。)
嬉しくて仕方ない気持ちでいっぱいになり、思わず抱きしめた。
りおはびっくりはするが、もう、恐くはなかった。
そればかりか、この人の何に恐いと感じていたのかさえ、わからない、りおだった。。。
俺は中筒の感情が開花したのを確信した。
(やった!、、りお!よかった。。)
嬉しいのと、同時に涙が止まらなかった。
俺達の使命が初めて報われた気がした瞬間だった。
この中筒の姿は聡子達ににも知るところとなり、皆が驚いた。
聡子は感動し、泣いていたのだった。。。
それ以来、中筒にも懐くようになり、
上筒も底筒も安堵したのだ。
「まずはよかった。。。」
上筒は底筒と共に喜んだ。
そうして、一旦は切り上げるとなり、帰る事に。
三神様はかなり寂しいようだ。
特に上筒は、直に父に願い出た。
このままこちらでも、育てさせて欲しいと。
勿論、中筒と底筒も同感だった。
しかし、父はほんの少し時間が必要だとし、また、後に会わせるとした。
そうして、また会うまで日常に戻るのだった。。。
聡子の元に帰ってきた中筒は何だか上の空だった。
聡子はりおに会えないのが寂しいのだなと考えていた。
だが、聡子が、知りもしない所で中筒の心には芽生えているものがあったのだ。
それは、中筒本人ですらも気が付かないものだった。。。
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