第12話 セリの魔法
中筒が頭を悩ませる頃・・・
聡子「ほらっ!中筒様にはりおちゃんの心情なんてわからないわよ。
私がどれほど苦労してるか・・・」
確かに今の中筒にはわからないだろう。りおの心の中など。
だが、愛を知れば必ずわかる時が来る。
何故だか、俺には確信があった。
中筒が愛を知らない。いや、知りたくもない。そんな事を彼は思っている。
ここが覆れば・・・
そう、俺は考えていたのだ。
聡子は相変わらず中筒達を見てはため息ばかりだ。
中筒のあまりにも感情面の疎さにだ。
だが、彼は彼でなぜそうなのか、理由があったのだ。
それを知るのはわすがな者だけだった。
俺はりおが中筒を変える!
そう信じていた。
住吉邸・・・
「りおちゃん、一緒にお茶とお菓子をいただきましょう。琴音様がお作りになられたおしるこですよ。」
セリに誘われ居間に行くと上筒がいた。
上筒はいつものようにりおを自分の側に置きたいが、セリに任せてみようと我慢する。
セリはりおを横に座らせ楽しそうにおしゃべりしながら、おしるこをりおと食べている。
その姿はまるで近所のお姉さんのようで微笑ましいものだった。
俺は、セリが聡子とかぶる。なんだか、セリが聡子に見えた。
それくらい、二人は同じようなタイプなのかもしれない。
その様子を廊下から覗く底筒と中筒。
そしてゆうだ。
あまりに、りおがセリに馴染むスピードが早いのが不思議な中筒だ。
「セリは何か呪文でも使っておるのか?」
真剣な中筒からの言葉に目が点な二人。
底筒「ねぇ、中筒はりおに好かれたいのかい?」
中筒は「ん??」
中筒はゆうを見る
ゆう「それは、つまり愛されたいかと言う意味でしょうか?」
底筒「そうだよ。
ほら、上筒はさ、あんなにりおに懐かれ愛されてるだろ。セリも琴ちゃんも。 僕ももっと仲良くなりたくってさ、いろいろと試してるんだけど、、、上筒には負けるんだよねぇ。。。」
(「愛されたい」とは・・・)
自分はそんな事を考えてもおらず、ただ、育成するにあたりある程度、普通にしたいだけだ。
中筒からはそんな感情が伺えた。
聡子「そう言えば、先日中筒様がお帰りになられた時、凄かったのよね。
「なぜ懐かないんだ!!」とか言ってて、苛々されるし、、、
あんな中筒様は見たことなかったわ。」
聡子からの話に確実に中筒の中で変化が起きている!
俺はそう確信していた。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。