第11話 中筒の困惑

その日りおが眠りについた頃。


皆で話し合いが行われた。

まずはゆうとセリに初めてのりおの印象を尋ねられた。


セリ「凄く可愛らしい女の子です。

ちょっと、おとなしい感じではありますけど。。」


ゆう「あまり喋らない感じですが、いつもあのような感じなのでしょうか。」


上筒「全く喋らないわけではないが、口数は少ないだろうな。」


すると、中筒は

「喋らぬどころか、いつも、あの様に怯え、固まっておる。」


底筒「僕らの中では上筒に懐いているんだよね。でも、不思議だよね、セリちゃんには自分から触りにいくなんて。琴音ちゃんにも初めそんなのではなかったよね。」


中筒「確かに。。。

彼女には懐いてはいるが、自分からとはならなかったはず。。。

なぜだ?」


上筒「これは、想像でしかないのだが。。。」


上筒はりおの心情について話し始めた。

「以前より、あの恐がり怯える様子や、また喋らない事が気にはなっていたんだが。

そして、ちょっと中筒に対しての事も本人に尋ねてみたのだ。」


中筒はこれには驚きだ。

そして気になる。

りおに何と言われたのかが。


上筒「りおは「好かれない。」

一言そう言っていた。」


中筒「それはどういう事なのだ?

「好かれない」とは、、?」


底筒「自分は、中筒には好かれないと感じ、思っているのではないかな。」


中筒は落胆する。

そんな事考えもしないからだ。

それに「好かれる」とは意味はわかるが、なぜ怯えるに繫がるのかが全くわからない。。。


セリが話に入ってきた。

「あのう。。よろしいでしょうか。」


上筒「なんだ?セリ。」


セリ「もしかしたら、りおちゃんは男性が苦手なのではないかと。

先程の私に対する事や、琴音様にもですけど。

ゆう様にはかなり警戒しているように見えましたし。。。」


セリからの話に益々困惑な中筒。


「男性が苦手ならば、何故に上筒にはあの様に懐くのだ?」


ゆう「それなのですが、

男性でも、父親ならばどうでしょうか。」


ゆうの話に全く意味が中筒には理解出来ない。


「父親も男性ではないか?!何が違うのか?」


中筒の頭は困惑するばかりだった。。。


底筒「あのさ、「好かれない」って、つまりは「愛されない」って事だよね。要するに、「自分は愛されない」と思っているんじゃないかな。」


上筒は正にそうだと考えていた。

先日、底筒と琴音と話していたキーワードだったのだ。

だが、愛されないならば、何故に怯えるのかに繫がるのかがわからなかった。


まずは、セリとゆうに対してのりおの反応を見てみる事に。。。

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