第3話 波瀾な婚姻生活

さて、この中筒と、聡子の政略結婚とも言うかの婚姻。


聡子は勿論、父であるアメノミナカヌシ様に抵抗したが、無駄に終わる。


一方、中筒はアメノミナカヌシ様からの

「國の為の婚姻である。」

と聞かされ、あっさりと承諾したのだ。


何とも中筒らしいと言うか。。。


当時、何に関しても無感情な彼だ

婚姻に必要な「愛」なんてもの


そんなものなど知る由もないわけだ。。


全く、中筒と言う男。

逆に俺は興味が湧いて仕方なかった。


そうして、二人の婚姻生活が始まる。



俺は父と一緒にその様子を見る事に。


二人の住まいは立派なお社と言うようなお屋敷だ。

普通は、仲睦まじい姿を想像するものだが。。。


聡子は、中筒のお世話の傍ら、中筒が受け持つ仕事を共に担っていた。

仕事は、かなり順調なようだ。


しかし・・・

全く夫婦らしからぬとはこの二人の事を言うのだろうか。


おしゃべり好きな聡子の口を中筒は開かせない。

聡子が何か話そうものなら、中筒は聞いているのか、何なのか。。。


会話とは、どちらかが話し、聞き手が必要である。。。


しかし、成り立たない。


中筒から話す話題など、

國について、

神々の教育等ばかり。



なるほど、これは聡子には耐え難いだろうな。。。


何とも堅苦しい事だろう。。。

段々と俺は聡子が気の毒に思えるのだった。



そうして、やっぱりとなる時が来るのだ。

そう、聡子が中筒から逃げ帰ってきたのである。


俺は聡子に呼ばれる事に。


聡子「お父様!私には無理です!

耐えられません!!」


悲痛な聡子を父であるアメノミナカヌシ様は諭される。


「よく、聞きなさい。

そなたは、知っての通り、中筒男命の為に生まれてきた。まずは、相手をよく知る。

これが必要だ。

知れば見えてくるだろう。」



確かにそうだが。。。


しかし、自分の娘の想いなど却き使命を通さんとする姿。

俺は自分の父と重なるのだった。



俺は聡子と話す事に。


聡子「ジャン、私はこの婚姻で幸せにはなれないわ。

ねぇ、私とジャン、婚姻を結んでよ!」


悲痛な聡子に向けて俺は

「それは出来ない。。。」

ただ一言伝えただけだった。



逃げ帰ってきた聡子を中筒が迎えに来た。

俺は引っ込み、姿を隠した。



中筒は聡子が用事があるとし、親元に帰ったが、中々戻らない事を気にし迎えに来たのだ。


聡子はしぶしぶ帰る事になった。




そんな聡子に一筋の光となる者達が現れる。

それは、まだ幼く、少年と少女だった。


彼らのおかげで聡子は、逃げ帰る事が無くなるのだ。。。

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