第2話 聡子の使命の相手

最初に聡子から気持ちを打ち明けられたのは聡子が中筒と出逢うかなり前の事だ。


気が付かないふりをしてきたが、ついに打ち明けられたとなれば、丁重にお断りをしなければならない。


だが、そんな気の利いた言葉など掛けられるはずもなく、

「無理だ。」

としか答えられなかった。


彼女は悲しそうではあるものの、

微笑み「知ってほしかったの。」

とだけ言った。


今想えば、もう少し何か言葉がなかったかと思う一方で、

やはり無理なものは無理だとしている自分がいる。



そうして、聡子は出逢うのだ。

そう、自分の相手となる中筒男命に。



俺はあった事はなく、ただ、彼は有名だった。

そして、父から聞かされきた男の名前だったのだ。


父がターゲットにしたのが中筒だった。彼を成長させるべく、俺と妹が使命により、動く予定だったのだ。


聡子と中筒が出逢う。

いつもの様に自己紹介だ。


「聡子と申します。」

「中筒男命だ。よろしく。」


会議での席で普通に出逢う二人。


しかし、中筒は聡子には全く興味も示さず至って淡々と話すだけだった。


俺がこんな事を言うのもなんだが、聡子は男性から、かなり高貴な目で見られ、彼女とお近づきになりたい男性からアプローチ等、日常的だった。

聡子の物腰柔らかさと美しさが男性を惹き付けるのだろう。


だが、中筒はそんなものには引っかかりもせず、正に淡々な感じだった。


俺は彼女に呼ばれる事になる。

勿論、中筒についてだ。


彼女は自分が中筒の為に生まれてきたと知っている。

だが、自信がないと。

そう俺に話した。


「あのような、何をお考えなのかわからないような、無表情で私との会話すらも・・・」

聡子はため息をつく。


しかし、そんな彼女に追い打ちをかけるかの様に父であるアメノミナカヌシ様は指示を出したのだ。


それが、中筒との婚姻だった。。


聡子は言うまでもなく不安だらけだった。。。

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