桜の舞う下で

中筒ユリナ

第1話 出逢い

あれは、とある会議の終わりの事だった。

私は上の方に足を止められ、ある姫を紹介された。


気品ある姫のようだ。

「娘だ」


娘「初めまして。聡子と申します。」



これが彼女、聡子(そうこ)との出逢いだった。


俺はジャン。

とある偉大な父から生まれた。


俺には弟がいる。シリウスと言う。彼は後に光の神により、全ての力を受け継ぎ「シヴァ神」と名乗るようになる。


私達は仲の良い兄弟であり、シリウスがシヴァとなる頃に私は父により、姫を紹介されたのだ。


それが聡子だった。

彼女はアメノミナカヌシ様からの御霊分けされた女性だった。


生まれたからにはそれなりの理由があるわけで。

彼女も、俺、ジャンも。


そして弟シリウスもだった。


父とミナカヌシ様が親しいことにより、聡子と知り合うのは自然な事なのかもしれない。


私達は幼馴染みとして共に過ごす。


聡子は今もだが、かなりのおしゃべり好きな性格だ。

気がつけば、ずーっと喋る。


俺はもっぱら聞き役だった。


彼女と出逢うかその前後に、父は私と弟の下に妹を生み出した。

妹は俺の為に父が用意した魂を持つ子だった。

つまりは、俺の使命。又は俺と妹の使命だ。


妹が聡子に会う事はなく。

なぜなら、聡子に妹が懐いてしまうのを懸念したからで。

懐けば妹は使命の為に動く事を嫌がり、また聡子がかばうのが見え見えだったからだろう。


聡子「ねぇ、ジャン。

妹ちゃんには私は会えないのかしら?」


彼女によく尋ねられたが、答えは決まって駄目なんだとしていた。



俺も聡子もある程度成長すると神々の話し合いに参加し、仕事が増えていった。


彼女に対し俺は特別な感情を抱く事はなく、幼馴染みで、大切な同士のような存在だった。


しかし、彼女の方は違ったらしく、その気持ちに気がつくも普通に接していた。


それは、彼女の使命の邪魔になってはと言う当時俺の考えからだ。


聡子は中筒男命の為に生まれてきたとされていた。

つまりは、将来は、中筒と出逢い結ばれるだろうと言うわけだ。


だが、事はそうは中々上手くはいかないものだった。


そう、当時の中筒は今とはかなりかけ離れた性格だったのだ。


信じられん程の無感情な男だったのだ。








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