第20話 本当のデート
家に帰ってからベッドに寝転がった俺は放課後に起こった出来事について思い出していた。
まさか俺が自分から『今度二人で遊ばないか?』なんて提案を蓮見にするとは思っていなかった。
蓮見を誘った瞬間のことを考えて今更になって顔が熱くなる。
恋愛マスターと呼ばれているとはいえ、実際は女性経験の少ない平凡な男子高校生。
そんな俺に遊びに行こうと誘われても迷惑でしかないよなぁ……。
しかし、あの時確かに蓮見の表情は一瞬にして曇っていった。
それは恐らく俺が『好きな人と二人でいる時間が急に減ったらどうしたらいいと思う?』という蓮見からの質問に『嫌われてる可能性もあるかもだけど』と答えたからだ。
いや、蓮見のいう好きな人とやらが俺じゃないことくらい当たり前に理解してるよ?
分かっていてもその言葉の裏を考えずにはいられないし、俺の言葉を聞いて落ち込んでしまった蓮見の表情を見ていると、俺の方から遊びに誘わずにはいられなかった。
ただの勘違いかもしれないが、俺が蓮見を遊びに誘った瞬間に蓮見の表情は明るくなり、それ以降蓮見の表情が曇ることはなかった。
まさか、まさか本当に蓮見の好きな人とやらが俺だなんて可能性も……。
そんなあり得もしない可能性について考えているとスマホが振動し、通知を確認する。
『(蓮見)どこ行く?』
見切り発車で蓮見を誘いはしたものの、どこへ行くかなんて考えていなかって俺はどう返信しようか悩んでしまう。
女子との遊びは一体どこへ行くのが普通なのだろうか。
デートならまだ考えやすい。
映画館だとか水族館だとか定番のスポットに行けばいいのだから。
しかし、女友達とただ遊ぶだけって何をしたらいいのだろう。
変にデートっぽいところに行けば俺が蓮見に気があるように思われてしまうかもしれないし……。
というか待てよ?
何気に蓮見と恋愛相談以外の予定で遊ぶのって初めてじゃないか⁉︎
以前デートのリハーサルだと言って遊びに行ったりはしたが、あれもあくまでデートのリハーサルで誘われていたし、僕を慰めるという蓮見の目的を遂行するためのデートだったわけだ。
意識した途端先程よりもどこへで遊びに行くのかを考えづらくなってしまった。
『(旭日)どこか行きたいとこあるか?』
蓮見からの質問を質問で返すのは男らしくないし優柔不断だと思われるかもしれないが、今の僕にはこうするしか--。
『(蓮見)旭日君の行きたいところで』
……そうですよね。正直そう返信が返ってくるだろうなぁとは覚悟してましたよ本当に。
『(旭日)じゃあ--』
別段行きたいところなんてなかったが、どうせ何が正解か分からないのならと、俺は自分が行きたい場所を提案した。
【投稿停止】クラスで1番可愛い女の子の親友が恋愛相談をしてきたのでアドバイスしたが、どうやら俺のことが好きらしい 穂村大樹(ほむら だいじゅ) @homhom_d
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。【投稿停止】クラスで1番可愛い女の子の親友が恋愛相談をしてきたのでアドバイスしたが、どうやら俺のことが好きらしいの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます