第7話 二番目に優しくされた

(蓮見)

やっぱり次はデートに誘うしかないってことだね

(旭日)

いや、手料理振る舞った時すでに一回誘ってるんだからそこまで緊張しなくても大丈夫だろ

(蓮見)

そうなんだけどさ〜。断られたらどうしようって思っちゃうわけよ


 蓮見から『次は何をしたらいいか』という内容でRineが送られてきたので、俺はデートに誘うよう指示した。

 しかし、自信がないようでデートに誘うのは抵抗があるようだ。


 蓮見くらい可愛い女子からデートに誘われればどんな男子も断らないような気がするが、それでも緊張するものなのだろうか。


 しかも一度自宅で手料理を振る舞っているのだから、もうすでにデートには誘ったことがあるようなものなんだが……。


 三鼓は素直で自分の気持ちを即行動に起こすタイプで分かりやすかったが、蓮見は何を考えているのかがさっぱり分からん。


 Rineで恋愛相談を受けるのは初めてのことだが、学校だけでなく家でも他人の恋愛に夢中になれるし自分が失恋したことも忘れられるので丁度良い。


 失恋の傷が完全に癒えたわけではないが、蓮見がひたすらメッセージを送ってくるので、いつの間にか悲しむのは忘れていた。


「なんでもいいから早く誘えよっと……--っ⁉︎」


 蓮見への返信をしようと文字を入力していると、着信音が鳴りスマホが振動し始めた。


 まさかとは思ったが、蓮見から電話がかかってきたのだ。


 いや、いやいやいや。電話は流石に出づらいって。


 とはいえ、今の今までRineをしていて先程の通知にも既読を付けているにも関わらず電話に出ないのは違和感を持たれるので、仕方がなく電話に出ることにした。


『あ、もしもし旭日君?』

「そうだけど。どうかしたか? 急に電話なんかしてきて」

『好きな人をデートに誘う自信無いから、予行演習付き合ってくれない?』

「予行演習? デートの?」

「うん。予行演習しておけば本番で緊張しないで済みそうでしょ?」


 言わんとしてることは分からなくもないが、たかがデート一つで予行演習をするというのはやり過ぎなのではないだろうか。


 なぜ蓮見はあれだけの容姿を持ってして自分に自信がないのだろう。


「……まぁ別にかまわないけど、そこまでする必要あるのか?」

『え、良いの⁉︎』

「いや、自分で誘っておいて何驚いてるんだよ」

『えへへーっ。まさかオッケーしてもらえると思ってなくてさ。じゃあどこに行くかは考えておくね‼︎ それじゃっ‼︎』

「え、ちょ……」


 蓮見はそう言って一方的に電話を切った。


 蓮見が異様に自信を持っていないことは気になるが、蓮見には一度嘘のアドバイスをしてしまった後ろめたさもあるし、とにかく今は蓮見を全力で応援することにしよう。

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