第7話
葉子とのデートは丸1日こんな感じで、俺は何度もみぞおちを殴られ、手玉にとられ続けていた。だけど彼女が成仏する事は無かった。
「ピカイチ」や「ナウい」のような少し昔の言葉遣い、スマホじゃなくてICレコーダーで音声を録音、行く先々が昭和感満載、今時の女子高生っぽくない葉子は、一体いつ幽霊になったんだろう?長い時間ずっとさまよっていたんだろうか?ちゃんと成仏させてやらなきゃ。
だから……
「契約延長だ!」
「え?いいの?」
驚いた表情の葉子。
「ああ、いいとも!」
「ありがとう!良かった。成仏出来そうに無いし次のおじさんを探さなきゃって少し憂鬱だったんだ。じゃあ1日延長ね!」
「なんで1日単位で契約なんだよ?1ヶ月延長しよう!」
葉子の表情が曇った。
「私も楽しいからそうしたいけど……でもね、途中で成仏したら契約が残っちゃうでしょ。それが心残りになってまた幽霊になるかも知れないじゃない。そうならないために1日単位のレンタルにしてるの」
「嫌だ。1日単位だったら明日他のおじさんと契約してしまうかもって心配なんだよ。それは嫌なんだ。成仏するまで面倒を見させてくれよ」
葉子の顔が赤くなった。
「他のおじさんと契約したら嫌だなんて、おじさん、私にベタ惚れね!うん……わかった。じゃあ1週間延長なら良いよ」
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