第3話

「レンタルって、何をすれば良いんだ?俺が借り主でお前がメイドってことは、お前は主人である俺の言う通りに奉仕……」


「きゃっ」


 女の子は胸を手で覆い隠した。


「おじさん今エロいことを考えましたね。私が巨乳だからって……」


「いやお前、胸元から猫耳やら目薬やらICレコーダーやらを出す度にしぼんでいってるぞ」


「それ、セクハラよっ」


 痛いっ。顔面をグーで殴られた。幽体離脱していても痛みを感じるとは知らなかった。


「じゃあこれから1日、おじさんとデートしてあげます。私の行きたいところに連れて行ってください」


 上から目線の言い方が気に入らない。俺は即答してやった。


「嫌だ」


「そんなこと言わずに、メイド姿の女子高生と1日デートしたって話を冥土の土産にしてください!あ、今のはメイドと冥土で駄洒落てみました」


 笑えねえよ。


「冥土の土産って?つまり俺はこのまま死ぬのか?」


「お医者さんでもないのに、そんなこと私にわかるわけないじゃないですかー」


 さっきあのまま横断歩道を渡っていたら俺は自転車に跳ねられて死ぬ、そこまで具体的にわかってたのに、今これから先どうなるのかはわからないのか?


「だってえ、おじさんがレンタルを嫌がってこんな事になるなんて予想外だったから、わかんないよー。未来は変わってしまった。自業自得ってやつだよね!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る