第3話 未来へ
ここはどこだろう。
目を開く、まだはっきりとは見えない世界の中を私は手探りで生きる。
手を伸ばす。温かな何かに触れる。握りかえす手。柔らかなぬくもり。
ふわりとした感覚に包まれる。そのまま高く持ち上げられ、ゆらゆら、ゆらゆらと揺れる。
私が何か声を発すれば、驚いたような嬉しそうな声を上げる。
何度も、何度も、繰り返し、私の姿を収める日々。
紗那、紗那と私を呼ぶ声が聞こえる。懸命に、2人の方を向く。
毎日が幸せなんだと父は言った。そうだね、と母は笑った。
ただ、それだけで良かった。
人として 秋穂碧 @aioaoi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。人としての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます