第2話 おめでとう
窓の外を見ると、夜中まで降り続いた雨はいつの間にかやんでいて、夜明けを超えた朝焼けが眩いばかりに差し込んでいた。
さっきまでの激動とは程遠く、穏やかに過ぎていく時間。
ふと隣を見ると、見慣れない顔がそこにはあった。私の隣にいる、あなたは…?
ぼんやりとした意識を辿り、どうして彼女がここにいるのかを考える。彼女の名前を、私はまだ知らない。
ただ、彼女が私の元へ無事にやってきてくれたことだけは確かだった。
扉が開く。
「ありがとう」
永治くんは涙ぐんだ目で、私と彼女にそう言った。どれほど待ち望んでいたのだろう。その気持ちが痛いほどに伝わってくる。
「名前を考えてきたんだ」
そう言って、永治くんは彼女の頬を優しく撫でて語りかけるように言った。
「
紗那。それが、彼女の名前。生まれて初めてのプレゼント。
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