第二部
[SS]聖なる祝祭
トレボーンに戻ると、ミオが店の中を飾り付けしていた。
至る所に小さな猪——ワイルドボア——の縫いぐるみがある。
何だろうこれ。
「ねえミオ、この飾り付けって……」
「あれ、ハル知らなかった?今日はルクネリア教の祝祭日よ」
そうなんだ。全然知らなかった。
「あ、ハルが知らないのも無理ないかも。
ああ、クリスマスの事か。
確かに、リトルテルースでは、ささやかにクリスマスを祝う人達も多い。
でも、ルクネリア教も同じ日にクリスマスを祝う習慣があるなんて意外だな。
「それはね、
わざとなんだ……意地の悪い事を……
「でも、
し……知らないよ。
「それを知った教皇様がね、じゃあ
違うよ……教皇様、それは違うよ……
「ま、最初はワイルドボアを狩ってきて、その頭をテーブルの真ん中に置いてたんだけど、段々と効率化を図るようになって、頭蓋骨だけでも良い様になって、最近では縫いぐるみを飾るだけになっちゃった」
それで良いと思う……
「あ、ハルもワイルドボアの肉食べたかった?今日は高いから買わないでいたんだけど、欲しかったら今から市場に……」
い、良いよ僕はワイルドボアに拘りないから。
「そっか、じゃあハルも飾り付け手伝ってくれない?」
分かったよ。
僕は飾り付けを手伝う事にした。
それにしても、今度ミオにちゃんとクリスマスのことを教えておかないと……
すると、今まで黙っていたリアがおずおずと口を開いた。
「ハル、S(※自主規制)て、なに?」
リアちゃん、今は知らなくていいんだ。
もう少し大きくなったら説明してあげるからね。
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