第26話 裸になりなさい

「お、お仕置き……?」


俺は恐怖で汗が吹き出した。


「翔くんも、裸になりなさい」

「え?」

「私だけ裸なのは不公平です。翔くんも脱いでください」


俺が戸惑っていると、


「早く脱がないと、もっとキツイお仕置きにしますよ?」

 

亜美から禍々しいオーラが出ている。

これは逆らうとかなりヤバそうだ。


俺は制服のシャツを脱いだ。


「ズボンもです」


制服のズボンを脱ぐ。


「脱いだよ……」

「まだ脱いでないでしょう?」

「これも?」

「当然です」


パンツも脱がすつもりだ。


「私も脱いでいるのです。翔くんも早く。リスナーさんたちも待ってますから」

「うう……」


俺は少し前かがみになりながら、パンツを脱いだ。

少しでも、アレが見えないようにするためだ。


「ふふふ♡かわいいですね♡」


亜美がまじまじと見てくる。

すげえ恥ずかしい。


「毒婦の裸に反応するなんて、なんて悪い子なんでしょう。私にだけ反応してねー」


亜美は子どもを諭すように、俺のアレに話しかけた。

恥ずかしくて死にそうだ……


「さあ、配信を再開しましょうか」


ぽんぽんと亜美は膝を叩いた。

裸のまま、膝枕をしてくれるらしい。


俺は亜美の膝に頭を置いた。

やっぱり、すげえ柔らかい膝だ。

見上げると、エプロンに胸のラインがくっきり見える。

ヤバい……大きくならないようにしないと。


「おはコンチャオチャオー!皆の衆!ボケモン再開するよ!」

「クマクマー!」


≪やっと再開だ。心配したよ≫

≪長いトイレだね。ココロちゃん大丈夫?≫

≪でかいウンコ出たんだろなー≫


リスナーも心配していた。

ずっと待機画面にしてたのに、同時接続は60万に増えていた。スパチャも入っている。

それだけ、この配信は期待されているんだ。


ゲームはスムーズに進み、次のジムリーダー戦にたどり着いた。


「皆の衆!応援よろしく!」

「クマクマー!クマクマー!」


≪がんばれ!≫

≪勝ったらまた課金するよ!≫

≪やっちまえー!≫


俺とリスナーは、全力でココロナナシを応援する。


≪ココロは戦いに勝利した!≫


またジムリーダーに勝った!


≪おおおおおおおおお!大勝利キタ!≫

≪感動した。課金する≫

≪最高だ。もう死んでもいい≫


「クマクマー!クマクマー!」


俺も大喜びした。

裸なのは置いといて、みんなで盛り上がれてすごく楽しい。

陰キャの俺は学校で盛り上がれないから、余計に嬉しくなる。


「皆の衆と、アル様の応援のおかげだよ。アル様にご褒美あげなきゃ」


ご褒美……あのクッキーかな?


「これ、あげるね」


亜美が手にしていたものは……くつ下だった。


「クマクマ……?」

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