第2章

第17話 放課後デート

放課後。

俺は天流さんと、昇降口で待ち合わせした。

みんな見てるな……

生徒たちの視線が俺に刺さる。


「翔ー!」


この高い声は……?

遥だ!

俺に向かってダッシュしてきた。


「一緒に帰ろー!」


は……?

呆然とする俺。 

ついに頭がおかしくなったのか?


「一緒に帰って、あたしの家でイカトゥーンしよ!」


イカトゥーン……昔よく遥とやったゲームだ。


「俺は天流さんと帰るんだ。……っていうか、俺に言うことがあるんじゃないか?」

「……何を?」

「マジで言ってんの?」

「全然わかんないんですけどー!」  


遥は肩をすくめた。


「俺に謝るとかさ……」  

「はあ?なんであたしが翔に謝るのよ?」

「俺をハメて、晒したりとか」

「それはそれ。これはこれ。翔はあたしを好きなんでしょう?かわいい女の子が陰キャと一緒に帰ってあげるんだから、もっと喜びなさい!」


何言ってんだ?こいつ……


「嬉しくねえし……」

「……これでも?」


遥はスカートをつまみ上げた。


シマシマのパンツが見えてきて、


「ちょ……やめろって!」


俺は遥の腕を掴んだ。


「ふふ。何焦ってんのよ?昔は一緒にお風呂入ったじゃない。恥ずかしいの?」

「それは子どもの頃だろ?周りに男もたくさんいるのに……」

「心配してくれるんだ?やっぱりあたしに惚れてるんじゃない。素直に愛してるって言いなさい」

「いや、愛してないです」

「陰キャのくせにー!」


遥は見た目だけは可愛い。

ただし、性格は超ワガママだ。

何でも自分の思い通りにしようとする。


しかも、俺を弄んだこともを謝りもしない。

絶対、許せない……


「影川くんー!」


天使のような優しい声。

天流さんだ!


「あら、どうして手を繋いでいるのかしら?」

「いや、これは……」

「ふふん♪翔は幼馴染のあたしと帰るんですぅ。新参者はどっか行ってくださいますぅ」

「まだ制裁が足りないようですね……」


天流さんの目が、ギラリと輝く。


「翔のこと、まだ影川くんって呼んでるの?翔を呼び捨てにできるのはあたしだけね。あたしと翔は、家も隣だし身体も隣なの。こんなふうにねー」


遥はむぎゅーと俺の腕に胸を押し当てた。

うお、柔らかい……

う、嬉しくはないけどね!


「その脂肪の塊をどけなさい!」


天流さんが遥の腕を掴む。


「いやよ!翔が喜んでるもん!」

「喜んでねえし!」

「ふーん。でも、ここは正直ね」


遥の視線が俺の股間に……


「いや、これは……」

「これは?」

「ただの生理的反応であって」

「あたしの魅力に、やられたってことね」


「影川くん……」


天流さんは強引に遥を引き剥がした。


「ちょっと!何すんのよ!」


キレる遥を無視して、天流さんは、


「影川くんをもっと反応させてあげます」


俺は手を引かれて、校門の前に止まっていたリムジンへ押し込まれた。


「生理的反応……覚悟してください」


天流さんが制服のボタンを外した。



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