間話 罪はきっと誰にでも



 ––––目が覚めるといつも暗い場所にいる。

 

 眠っている時よりも、目を瞑っている時よりも、暗い場所。そこには何もなくて、あるのはただただ濃密な闇ばかり。

 どうして誰もいないんだろうと首を傾げて、辺りを見回してみる。けれど何も見えなくて、誰もいなくて寂しくなる。


 そんなことを何度か繰り返して、気づく。

 あぁ、一人なんだと。

 この世界には自分しかいなくて、逆に自分なんていなくても誰も困らない。

 存在する必要なんてない。

 存在する理由なんてない。

 存在する意味なんてない。


 そんな刃のような正論を突きつけられて、膝を抱えてうずくまる。

 別に好んで暗闇の中にいるわけじゃないのに。もし叶うのなら、光の中にいたいのに。

 だけどそれを神様は許してくれないから、自分は闇の中で永遠を生きるしかない。それが自分にとっての『罪』で、贖罪なのだから。


 でも、憧れてしまう。

 無理だとわかっていても、求めてしまう。

 

 光の甘さを。

 光の温もりを。

 光の深さを。


 どうすればいい?

 どうすれば叶う?

 何をすれば闇の中から出られる?


 ……どうすれば、助けてくれる?


 その答えも、きっと光の向こう側にある。


 だから。

 本当に。

 いつか、必ず。

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