第7話
「では私はこれで、」
「あ、待って!」
彼は近くにある学校の塀を上り立ち去った。
それと同時に本物のティレル様たちに出会った。
「姉さん!」
「エリーナ!大丈夫だったかい?」
「姉さん?」
「……え、ええ、大丈夫でしたわよ」
さっきの目のこともあるが食い気味に来る2人に少し圧倒された私は返事が少し遅れてしまった。
「エリーナ、俺に変装した奴はどこだ」
「あ、すみません。逃げられてしまいました」
「そうか、まぁ怪我なさそうで何よりだ」
「愛しき我が婚約者エリーナ。怖かったろう?もう大丈夫だよ」
ティレル様は怪我を、ラド様は精神面を心配してくれてるみたいだが、もし襲われたらドレスの下にある短刀で反撃しようと思ってたほどだから大丈夫なんだけどなぁ……
「姉さん、そろそろ帰りましょう。一雨来るかもしれません」
「ああ、そうね。帰りましょうか」
私たちが校門まで行こうとした時、
「エリーナ、僕が送りますよ」
案の定ラド様が送る宣言をした。まぁそれに対してアインは……
「結構です。姉さんは僕が命をかけて守ります」
まぁこうなるよね。後アイン、命までかけなくていいのよ。
「いえいえ、婚約者としてこれぐらいは当たり前ですから」
すかさず反撃。あの2人の間で稲妻が走ってるような……
「ラド、アイン、落ち着け」
ティレル様の一言でその2人の口論は一時停止となった。
「ラド、お前は婚約者に甘えすぎる。場所を考えろ」
「……申し訳ございません、兄上」
「アイン、お前はそろそろ姉離れをしろ。ここまでくると相当だ」
ほんと、私も同意見です。
「申し訳ございません、ティレル様」
「だが現在エリーナが人攫いに遭いかけたんだ。今回は送らせてくれ」
「………ティレル様がそうおっしゃるのであれば私は構いませんよ」
少し迷ったが私は笑顔で肯定した。こんなにお願いされてるのだからお願いさせてもらおう。
私たちはラド様たちが用意した馬車に乗って屋敷へ帰った。
第3王子に溺愛されてる私ですが、私には好きな人がいます 来海冷凪 @Lithianthus
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