第16話 人生の目的

 最近、老人の年金生活の特集をYouTubeで見て、はたと思いついたのだが私ももう56才。同級生も60才で仕事を止めるやつも出てくる。もう、初老だね。私は、この人生の中で一体何をやって来たのだろう。


 精神を決定的に病んでからもう、闘病生活が20年にもなる。仕事何か良いのないかなと考えて20年にもなる。一度、人の下で働くのではなく自分でやってみたい。


 しかし、起業など年齢的に遅く、また精神障害者にカネを貸す金融機関などありようもなく、思いついたのが小説の執筆だが、私は本の虫というよりは、音楽にのめり込んできた質で小説を読み直そうと本棚を探したら全てブックオフに売却しており、さらさら小説とは縁のない人間だなという事が分かった。


 じゃあ、音楽はというとこれも数年前からバカでプロになると意気込んでドラム教室に通い始めたが、せいぜいライブバーで友人とセッションするくらいだろう。要するにもう、何もできない事態に陥っている。


 ただただ、惰性で飯を食って生きているだけである。しかし、思うに精神を決定的に病んだ34才、ここで私の人生はリセットされており、闘病という普通の人とは異なった道を行く事になった。人生の目的が闘病?そんな人生もあるだろう。くだらないが…。


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