第57話 7 VS 900
陸自と海自による攻撃の少し前。
制海権確保のため、第八護衛隊群が出動。
アルターエ海海戦が勃発した。
***
~人民海上軍・空母「ロースタリ」~
「第一雷撃隊および第一爆撃隊、発艦せよ!」
飛行甲板から次々とレシプロ機が飛び立っていく。
『隊長期から全機へ。敵は少数だ! 必ず勝てるぞ!!』
『『おおーっ!!』』
士気は高い。
だが、その士気とは裏腹に、彼等は緊張していた。相手は未知の存在。
そして、今までの常識を覆すような兵器。
それが何なのか、彼らは知らない。
ただ一つ言えることは……。
(負けるわけにはいかないんだ)
そんな思いを抱きながら、彼らは戦場へと赴く。
***
「レーダーに感。方位0-4-2、高度3000、速度800、数900。
目標群α、βと認定。まもなく、目視可能域に入ります」
「対空戦闘用意!」
「対空~戦闘よ~い!」
***
「き、き、き、来た……」
双眼鏡を覗きながら、隊員が言った。
魚雷を搭載したレシプロ機が、低高度から近づいてくる。
「敵雷撃隊、急速に近づく!」
「対空戦闘、右砲戦。CIC指示の目標……撃ち方~はじめ!」
オート・メラーラ単装速射砲が雷撃隊に指向する。
***
『たかが一門の砲で何ができる!?』
パイロットがそう言った直後、砲弾が発射され、雷撃機の右翼を破壊。
横回転しながら、海に墜落した。
『なっ――』
後ろにいた機体にも砲弾が命中し、木っ端みじんになる。
雷撃機は続々に落とされ、たった一機だけが魚雷を投下。
離脱しようと機首を上げた瞬間、左翼を吹き飛ばされ、そのまま墜落した。
***
『隊長ー!雷撃隊がァー!』
悲痛な叫び声を上げる部下に対し、隊長は無言だった。
すると、隣を飛んでいた僚機が急降下。
敵空母へと向かって行った。
『……!ルーク、戻れ!』
***
「目標群β、トラックナンバー2132、急降下!」
「CIWS!AAWオート!」
向かってくる急降下爆撃機に対し、CIWSが射撃を開始。
20mm弾が毎秒50発発射され、敵機をあっという間に破壊する。
機体は木っ端みじんになり、残骸さえもなくなってしまった。
その直後、報告が入る。
「こちら整備隊!スペード隊発艦準備完了!」
『了解!スペード01、発艦する!』
カタパルトにより機体の速度が急激に上げられ、F-35Cは空高く舞い上がった。
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