第56話 革命と戦争

『番組の途中ですが、臨時ニュースをお伝えいたします。

本日未明、ルスア中央帝国にて、帝国軍によりクーデターが行われました。

反乱軍は皇帝一族を捕縛。新政府を樹立し、

ダスレト人民共和国が成立しました。

それと共に、新政府は我が国や友好国に宣戦布告。

ニトレア王国へと侵攻を開始しました。

それと共に、人民共和国は周辺を航行中の貨物船「さざなみ」を襲撃。沈没させました。

これに対し、日本政府は自衛隊の派遣を決定。

なお、この作戦には新鋭巨大護衛艦「やまと」も参加するとのことです。

繰り返します。ルスア中央帝国にて、反乱軍による帝国革命が起こりました。

それにより、ダスレト人民共和国が成立。

日本国とダスレト人民共和国は戦争状態に突入しました――』


***

~ニトレア王国・東トラエース平原~

『全車前進!』


ニトレア王国の平原を、自衛隊の戦車部隊とAdvance部隊が進む。

Advanceは堅牢な装甲と強力なガトリングガンを標準装備している。

そして、重装備でありながら機動力が高い。

そのため、主な仕事は敵の遊撃である。


戦車部隊は敵に逃げ場をあたえないような陣形を取っており、

沿岸部からは護衛艦「やまと」による艦砲射撃が行われる予定である。


***

超大型護衛艦「やまと」

排水量 64,000トン(基準)

69,000トン(公試)

72,809トン(満載)

全長 263.0m

水線長 256.0m

幅 38.9m

吃水 10.4m

主機 LM2500IECガスタービンエンジン (28,000 ps)×4基

出力 112,000仏馬力 (82 MW)

最大速力 30ノット

乗員 520名(うち司令部要員50名)+長期宿泊可能者450名

兵装

62口径5インチ単装砲 × 8門

45口径46cm三連装速射砲×3基

SeaRAM 近SAMシステム × 8基

Mk.15 Mod2 高性能20mm機関砲(CIWS) × 3基

Mk.41 mod6 VLS × 240セル

搭載機 ヘリコプター× 2機

レーダー

SPY-1D 多機能型

AN/SPQ-9B 対水上

OPS-20 航海用×2基

Mk.99/SPG-62ミサイル誘導用 × 3基

光学式測距儀

ソナー

AN/SQS-53C艦首装備型

AN/SQR-20 MFTA曳航式

電子戦

対抗手段 NOLQ-2 ESM/ECM

Mk.137 デコイ発射機 × 4基

その他

曳航具4型 対魚雷デコイ


……護衛艦です。戦艦ではありません。

battle shipではなく、destroyerです。間違えないように。

***


『前方に敵陣地!』

『了解。海自による攻撃が行われる。全隊停止せよ』

『了解!』


***

~護衛艦「やまと」艦橋~


「全門、目標に向け斉射!」

「第一、第二、第三、第四主砲旋回開始!」

「撃ち方始め!」

「撃ちぃかたぁはじめぇぇぇぇぇぇ!!」


砲雷長の号令と共に、「やまと」の主砲、副砲が火を噴いた。


***

~ニトレア王国・ダスレト人民共和国陸上軍東トラエース前線基地~


ヒュー……


「なんだ?この音」

「え?何かなった――」


直後、轟音と共に、彼らは”蒸発”してしまった。

「やまと」による艦砲射撃の直撃を受けたのだ。

艦砲射撃はさらに続き、

塹壕はもちろん、トーチカや防空壕、地下陣地、

さらには滑走路や兵舎、車両に格納庫も吹き飛んでいった。


艦砲射撃が収まったのち、Advance隊が突入。

降伏したものは保護し、しなかったものは確実に撃ち殺していった。

建物はほぼすべてが崩れ、扉などはもはやその意味をなしていない。

Advanceが中に入ると、幸か不幸か、

建物の中にいたため即死は免れたであろう兵士たちが倒れていた。

息のあるものも大勢いるが、ほとんどが四肢を欠損しているか、

瓦礫につぶされている。

Advanceは、そんな室内を進み始めた。

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