中央帝国編
第53話 不穏な空気
~ルスア中央帝国~
「確かに、巨大地震でニホンの国力は落ちた。
しかしそれでも、我々が追いつけるほどではないな」
「これはもう、友好に切り替えたほうがいいですかね」
「そうだな……しかし、地震のことがばれたら恐ろしい」
「それじゃあ、どうしましょう」
「……よし、装置を開発した奴らを処罰しよう。それだったら、ばれることもあるまい」
「名案ですね!」
中央帝国の指導者たちは陰謀を巡らせ、友好的な関係を模索していた。
その結果として、地震発生装置の開発者や、その関係者を処罰することになったのである。
***
開発者や関係者は軍や研究施設から追放され、拘束される者も現れた。
彼らはかつては国のために技術を尽くしていた人々であったが、
今や国家の敵として扱われてしまっている。
中央帝国は外部に対しては友好的な姿勢を装いつつ、
内部では厳しい監視体制を敷いていた。
国民には地震発生装置の存在やその影響については一切知らされず、
国家の安定と発展のためにはこの情報が秘密とされるべきだという信念が広まることに。
一方で、開発者や関係者たちは秘密裏に結集し、
中央帝国に対抗するための抵抗運動を計画。
彼らは地震発生装置の技術を活用して、
中央帝国の弱点を突いて国家を揺さぶることを企てていたのである。
彼らは地下組織を形成し、情報の収集や同志の訓練を行いながら、
革命の時を待っていたのだ。
そして、そんな革命家たちに、一つの団体が接触しようとしていた。
その団体の名前は『緑の会』……日本のどこかに本部を持つNPO法人であり、
過激環境保護団体……つまり、エコテロリストである。
***
~日本・緑の会本部~
「さて、今回の議題は神水震災に関してだ。
たくさんの犠牲者がでたあの災害、なにか慈善活動をするべきだと思わないか?」
「「はい!」」
「募金や復興の援助もいいが、
遺族の方が亡くなった方の復讐をできれば一番だろう?」
「「はい!」」
「そして、この震災を起こしたのは、どうやらルスア中央帝国とかいう国らしい。
この国は、わが日本国に仇なす危険な存在。
絶対につぶさなくてはならない。そうは思わないか?」
「「はい、その通りです!」」
「そして、この国には反乱分子がいるらしい。
この反乱分子と遺族の方を引き合わせ、我々の援助により中央帝国を打ち倒す。
そうすれば、win、win、winだろう?」
「「はい!」」
「よし、この決定に異議のあるものは?」
「「……」」
「いないな?よし、賛成多数でこの議題は可決とする!」
緑の会会長が、そう言った。
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