中学2年の男の子、アキ。
その母親は双子で。母親の双子の姉妹の方にも中学3年生のハルという娘がいます。
アキとハルは従兄弟の関係で、ハルの方が1つ学年が上のお姉さん。
この、アキとハルの2人の恋愛模様を描く作品です。アキにとっては、初恋で。どこか切ないラブストーリー。
オススメな所としましては、こちらの作品、書店で恋愛小説を買ってきたのかなっていうようなクオリティで、丁寧に書かれていく描写がとても良いです。
その描写によって、じんわりじんわりと、初恋の切なさが心に染み渡ってくるのを感じました。
従兄弟って距離が近いのに、恋愛になるとその距離は中々縮まらない。
2人は通じあっているはずなのに、どこか切なくて。
アキ視点で流れていくお話。
途中、アキは別な子から告白されたりして、けれどもハルのことが好きで。
告白してきた子も、とてもいい子で、アキにフラれながらも、少しづつアキと距離が近くなって。
そんな片思いも、とても切なくて。
登場人物、みんな葛藤がいっぱいあって。
そんな中でも、アキとハルの2人の仲は、一定を保っていくのです。少し大人になると一気に近くなったり、そして、離れてしまったり。
アキは、ずっとハルを好きで追いかけるのですけれども、そこはアキレスと亀のように、1つ違いの年の差は決して埋まらず、季節が流れても、四季の”秋”と”春”のように、アキとハルには一定の距離があって、一向に埋まらない距離感。
ずっと2人で小さい頃から一緒にいて、2人の心は通じあっているはずなのに、どこか、ずっと切ない。
それが、じんわりじんわりと、心に染みてきます。
とても、とても、良かったです。
この物語、大好きです。
恋愛小説を求める方は、是非!
オススメです。
中学生、男の子と女の子の交流とお別れの物語。
仲の良いいとこ同士から始まり、女の子が抱える問題に男の子が寄り添う形で関係性が深まっていく流れ。
女の子が若干拗らせ気味な一方、男の子は女の子の機微とか分からない中学生なので、割と振り回されてる。けど、男の子は女の子を大切に思っているので、手探りながら諦めずに寄り添おうとする。女の子も男の子を大切なのは同じで、この緩やかに思い合ってる描写が本作のオススメポイント。
最後は女の子の家庭事情から離れ離れになるエンド。関係性の深化が最後まで緩やかなままなので、強い感情が引き起こされたりはしないものの、穏やかなジュブナイルノベルをお望みの方にはマッチする良作だと思います。是非。