第40話
ネットで購入したカーペットとクッションが届いた。
2才、3才になると、飲み物をこぼしまくる!
とママに聞いたので、クッション性があり、撥水加工がされているのを選んだ。
これでお漏らしされても掃除がしやすそうだ。
カズくんと二人でカーペットを交換する。
こんな事なのに、楽しい!
カズくんはクッション材を大量に買った。
角に頭をぶつけたりしたら大変だと言って
クッション材を家じゅうの家具という家具、柱という柱に付けまくった。
カズくんの親ばかなところが可愛かった。
「ではゆきえちゃんの生後6か月“ハーフバースディ”を祝して、」
「「「カンパーイ」」」
「うまぁ、今日もビールが
ゆきえの体重は7キロになって、重いのなんの。
「カズくん!見てみて!ゆきえがね2秒くらいだけど、お座りが出来るようになったの!」
「おわっ。危なっかしいけどほんとだ。」
「明日から離乳食を試したいと思うの!」
「だからカズくんお願い!」
「任せとけ!」
「美来、お母さんなんだから、少しは自分も料理やりなさいよ。」
「美来は食べさせる係だからいいの。家事の分担よ。」
「おれは料理好きだから大丈夫。」
「今は美味しいって食べてくれる人がいる事が嬉しんだよ。」
「カズくん、すごい寂しいこと言ってるよ。」
「美来、ごめんね。」
「私、仕事が忙しかったからあまり手伝えなくてごめんなさい。」
「テストも終わって、ひと段落着いたから、明日は私がゆきえを見てるよ。」
「たまには二人っきりでデートしてきなよ。」
「ほんと?ママ?」
「俺は大丈夫だよ。」
「子育て中の奥さんの息抜きも、旦那さんの大切な役目だと思うよ。」
「わかった。ありがたく出かけてくるよ。」
「カズくん!私、かわいい動物が見たい!」
「あとはカズくんに任せたから、エスコートお願い!」
「わかった。」
「美来はかわいい動物が見たいって言ったよね?」
「え?かわいいじゃん!馬!」
「競馬場かよ!」
「この芝の匂い、ほのかに香る馬の匂い。いいじゃない!」
「馬糞の匂いじゃないの?これ。」
「馬ってこんなに大きいんだぁ!」
「あれ、でっか!」
「大きな声で言うんじゃない!」
目の前を大きくてカッコイイ馬が
「カズくん!ねぇ!あれ!すっごい毛並みが綺麗!きらきらしてる!」
競馬ってこんな楽しみ方もあるんだ。
ちっちゃい子供もいる。家族でも入れるんだね。
女性の人も結構いる。
ギャンブルのイメージが強かったけど、全然そんなことなかった。
競馬場楽しい!
ちょっと遅めのお昼はラーメンだ。
言っちゃ悪いけど、すっごいボロ屋なんだけど大丈夫?
私だけじゃ絶対入れない。
カズくんが先に入り、後から恐る恐る入る。
床が滑りそう!
なに?これ?油?
厨房をみたら店員さんがザルをチャッチャしてる。
油が飛び散る!
背脂だ!
床まで背脂飛んでるよ!
なんだここ!
出てきたのはコテコテ、油ギトギトの味噌ラーメン。
油少な目って言ったのに、それでもすっごい油。
「!!」
「美味しいよ!」
「気に入ってくれた?」
「うん!なにこれ!こんなの初めて食べた!」
「良かった。」
食後のデザートは猫だった。
「きゃわいいいぃぃ!」
「俺も猫カフェって1回来てみたかったんだけど、男一人じゃ入りにくくてさ。」
「初めて来たけど、いっぱいいるんだね。」
「しかも高そうな猫ばっかり。」
「いいなぁ。猫。」
「美来は猫っぽいよね。」
「なにそれ。」
「とってもかわいいって事。」
「そういう事言う人は、浮気してるって聞いたよ。」
「してないよ。」
まだ夕食には早いね。という事でちょっと飲むことにした。
念のため、トイレで搾乳しておく。
カズくんが選んだのは雰囲気の良いバーだった。
いつもは向かい側の席なので、カウンターですぐ隣で飲むのは初めてだ!
カズくんは弱いので薄め、甘め、ロングと言ってお任せした。
私はどうすればいいんだろう。
バーのカクテルなんて頼み方わかんない。
「スッキリした方が良い?甘いのが良い?」
「最初はスッキリした方が良いと思うけど。」
「じゃあ、スッキリで。」
「ライムかレモンならどっちが良い?」
「ライム」
「アルコールが強いのと薄いのはどっち?」
「うーん。薄いので。」
「じゃあ、ライムで薄めのロングでお願いします。」
「と頼んでくれた。」
「おおお。お酒弱いくせに、カッコイイ!」
これでお酒が強ければ、モてただろうに。
今はモてなくていいのか。
「美味しい!すごっくスッキリ!一気に飲めちゃう!」
居酒屋のカクテルとは段違いだ!
これきっと高い奴だ!
カズくんはちびちび飲んでる。
甘めの薄めって言ってたよね。かわいいなぁ。
「二杯目はもっとカクテルっぽいやつにする?」
「?」
「甘めと、ガツンとしたやつどっちがいい?」
「甘めにしてみる。」
「フルーツの甘いやつかショコラ系の甘いやつなら?」
「うーん。フルーツ系」
「薄めで良い?それでもちょっと強いかもだけど。」
「すみません。フルーツ系の甘めのショートでちょっと薄めに出来ますか?」
「杏のブランデーとオレンジジュースのカクテルはどうですか?って」
「じゃあ。それでお願いします。」
おおっ。カクテルグラスだ。
よりカクテルっぽい!
見た目も薄いオレンジ色で、すごい綺麗だ。
飲むのがもったいない感じ。
グラスに口を近づけると杏の良い香りがする。
一口、口に入れる。
甘い!けど甘すぎない!
少し苦味も来る。
オレンジかな。
ちょうどい甘さと苦味が口の中に広がる。
「美味しい!」
ほんとだ。ブランデーだからちょっと強めだけど、甘いから飲めちゃうな。
「すごい幸せな一杯だった!」
「そう。なら良かった。」
もっと飲みたいけど2杯にしておこうと決めて入ったので仕方ない。
「とっても美味しかったです。」
「また今度来ますのでお願いします。」
とバーテンダーさんに挨拶した。
「カズくん!なんであんなお店知ってんの!」
「絶対、女の子連れてきてるでしょ。」
「会社の飲み会があった時に、昔、来ただけだよ。」
「ほんと!美来としか来てないから。」
「頼み方だって、つたなかったじゃん。」
「まぁ。確かに。」
「カズくんお酒弱いしね。女の子酔わす前に倒れるよね。」
「そうそう。」
「じゃあ、信じるからまた連れてきて。」
「もっといろんなお酒飲みたーーーい!」
予約しておいたパスタ屋さんで、夕食。
ここは生パスタが食べられる。
フェットチーネのカルボナーラにする。
平打ちの麺だと生パスタのモチモチ感がさらにアップする。
卵が良いんだろうな。
「すごく濃厚で美味しい!」
「美来の嬉しそうな顔、好き!」
「急に言わないでよ!ドキッとする!」
「嬉しくない?」
「嬉しいに決まってる!」
「俺のエスコートはどうでしたか?」
「うん!90点だね!」
「え?10点何が足りないの?」
「セックスだよ!」
「いくぞ!」
ホテルに入った。
「さっき、100円ショップに寄ったでしょ。」
「美来は何を買ったでしょうか?」
「わかんないよ。」
「それはねぇ。」
「ローソクだよ!」
「またSMすんの?」
「違うよ!雰囲気のローソクだよ!」
「雰囲気には雰囲気で返すんだよ!」
ローソクといっても火を付けるやつではない。
スイッチをオンにするとライトが付くおもちゃだ。
「本物だと炎感知で火災報知器がなっちゃうかもしれないしね。」
スイッチを付けたおもちゃのローソクを10個部屋に配置していく。
「カズくんOKだよ。部屋の電気消してみて。」
「おおっ。薄明りで結構いい雰囲気!」
「美来。」
やさしくキスをされる。
キスしたまま1枚、1枚、丁寧に脱がされていく。
まだちょっと酔ってるのかな。
楽しい場所行って、美味しいもの食べて、
雰囲気の良い所でお酒を飲んで
雰囲気が良いセックスをする!
たまらん!
お互いのキスがどんどん強くなる。
舌が絡み、さっきのお酒の味がする。
甘い。
美味しい。
こんな美味しいキスは久しぶりだ!
「綺麗な下着だね。」
「!!」
「うれしい!今日初めて付けたやつなの。よくわかったね。」
「わかるよ。」
「見たことないものだもの。」
いつも気づいて誉めてくれる。うれしい!
服を脱がされるだけで、こんなにうれしい!
カズくんに抱き着いてベッドに倒れこむ。
結局、私が襲う羽目になってしまった。
せっかく雰囲気出したのに台無しだ。
でも、欲しくて、欲しくて、たまらないんだもん。
仕方ないじゃん!
すっごく満たされた。
「点数は満点になった?」
「190点だよ!」
「どんな点数配分なの?」
とってもいい気分転換になった。
ありがとう。ママ
ありがとう。カズくん。
明日からまた子育て頑張るよ!
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