第16話

今日はバレンタインデーだ。

とっても甘々なサービスを考えている。

ママにはもう渡してきた。

ブランデー入りのチョコを、プレゼントしてきた。


久しぶりにホテルにやってきた。

まずは1つ目、

「裸ワイシャツだ!」

「おお!かわいい!」

カズくんのワイシャツを借りた。

チラッとお尻を見せてやった。


次は2つ目!

「チョコの口移しだ!」

買ってきたチョコを口に咥えて受け取ってもらう。

唇が触れる。

ドキッとした。

「もう1個」

ちょっと長めに唇が触れる。

「もう1回いい?もっと長いの。」

口に咥えたチョコを奪われそのままキスをしていく。

舌で口が開かれる。

甘い。

チョコが返される。

返されたチョコを舌の上に乗せる。

チョコがずいぶん溶けてきた。

舌と舌が絡み合う。

甘い。息も甘い。気持ちいい。

「ぷはぁ!」


「今日はまだだめぇ。」

まだまだイベントがあるんだから。

「次はお風呂場を見て!」

手を引いて連れていく。

「チョコフレーバーの入浴剤を入れてみた!」

「おお!こんなのあるんだね。」

これで一緒にお風呂に入るの。

「じゃあ。体を洗いっこしようか。」

頭を洗ってもらうの、気持ちいい。

お風呂は1人の方が落ち着くけど、たまには一緒に入りたいな。

お互いを洗いあって綺麗になったところで、今日のメインイベントだ。

「ここにチョコペンがある!」

お腹にカタカナでミクと書いた。くすぐったい。

「どうだ!私がバレンタインチョコだ!」

「面白い!俺にもやらせて。」

体中にチョコペンで文字を書かれてる。

“大好き”

“愛してる”

“ハートマーク”

まるでラブレターだ!


とっても甘い時間だった。

お風呂でするのは好きなのだが、水が入るのがめんどい。

膣の中にお湯が入るとおしっこみたいにいっぱい出てくんだよね。

こういうとこは女は面倒だ。

男は楽でいいな。

シャワーでもう1回洗っておこう。

でもやっぱり、生まれ変わっても女が良いかな。

もし生まれ変わってもカズくんと一緒になりたいな。

ママはどうなのかな。


「ママは生まれ変わったらカズくんと一緒になりたい?」

「うーん。どうかな。」

「なぁに。ママとカズくんが、くっつかないか心配なの?」

「そうじゃないけど。」

「私は生まれ変わっても、カズくんとまた一緒になりたいなって思ったの?」

「私も昔は、そう思ったこともあったんじゃないかな。」

「でも、今はほんとに気にならない。」

「なんか。男としては見れないというか。空気というか。」

「失礼過ぎん?私の旦那様だよ。」

旦那様だって。恥ずかしい。

今度カズくんに言ってみよ。

「私は美来が大好きなの。」

「美来が好きな人が、カズくんだから見てられるっていうか。」

「ほら、空気は無いと苦しいっていうじゃない?」

「二人がいると安心するし、私は幸せ。」

「そういう意味でカズくんは大切な存在かな。」

「だから昔のカズくんは好きだし、今のカズくんは別になるかな。」

「ごめんね。言ってる意味、わかんないよね。」

「ううん。なんとなくわかる。」

「私は思い出に、恋をしてるのかもしれないね。」


「ママは、なんでもちゃんと答えてくれるね。」

「そうだね。美来も教師になる希望だものね。」

「うん、ママみたいな先生になりたい!」

「じゃあ、ひとつだけアドバイスをしてあげる。」


「子供の話をちゃんと、真剣に聞いてあげなさい。」

「子供のいう事だからと馬鹿にしたり、軽く流したりしない。」

「どんな馬鹿な事を聞かれても、ちゃんと聞く。」

「もちろん、聞いたことに全部答える必要はないよ。」

「答えられない事もあるし。」

「答えずに、自分で知らなきゃいけない事もあると思う。」

「そもそも、答えが無いことだってある。」

「だけど、話をちゃんと聞いて、一緒に考えてあげるの。」


「私が、美来の話を聞いてきたことを思い出して。」

「馬鹿にしたり、頭ごなしに駄目と言ったことは少ないでしょう。」

「うん。」

「ちゃんと、話を聞くし、これからも一緒に考えていこう。」

「うん」

「私たちは家族なんだから。」

「ありがとう、ママ」

「私もママみたいなママになりたいな。」


ママはやさしく頭を撫でてくれた。

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