第9話 メスガキ合法ロリ

「リリスが……皇女?」

「はい。黙っていてすいませんでした」


 リースラウド帝国といえば、鍛冶の国と言う別名があるくらいに優れた職人の多い国。剣や盾に鎧だけじゃなく、装飾品等でもリースラウド製は非常に繊細でそれでいて頑丈な為、非常に高額で取り引きされている。


 そんな国の皇女ということは、贈られる物はきっと最上級品のはず。


 その話を聞いて思い出したのは、さっき処分したリリスの装備品。


 そういえば内側には何か紋章みたいなのが彫られていたような気がする。


 そしてその帝国の女性の中で一番の剣の使い手に送られるのが【剣姫けんき】の称号。ちなみに男性の一番は【剣王けんおう】だ。


(リースラウド製で皇女な剣姫への贈答品。もしかしたらあの胸当て一個で屋敷が建つんじゃ……いや、これ以上考えるのはやめよう)


「リリたんリースラウドのお姫様だったんだ! フィオも十代の頃、お父様の仕事で行った事あるんだよね。ほら、このイヤリングその時に買って貰ったやつ」


 そう言って耳にかかっている髪をあげると精巧な作りのイヤリングを見せてくる。

 だけどそれよりも気になることがあった。


「十代の……頃?」

「そだよ? だってフィオ、今二十三歳だし」

「「えっ!?」」


 思わずリリスと同時に声が出てしまう。


 フィオは背も小さく、体付きもそこまで凹凸が無い。肩くらいの長さの青い髪はツーサイドアップでまとめていて、金色の瞳は少しつり目。前世の記憶で例えると、まるでメスガキのような見た目なのだ。


(だからてっきり十代だと思ってたんだけど……)


 そしてそれはリリスも思っていたようで、驚いたような顔をしている。

 しかし、次の言葉で俺は更に驚くことになる。


「私より八つも上なんですね……」

「……は? ちょっと待ってくれ。リリスは今何歳なんだ!?」

「私ですか? 私は最近十五歳になりました。もう大人です」


 そう言って胸を張ると、もっと大人のフィオには無いものが上下に揺れた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る