総集編パート1

第14話 ファスト小説 百合チューブ編完結まで


ファスト小説《切り抜き》動画


葉牡丹   「なんか朝めっちゃ寒い!布団つむりになってる葉牡丹と」

レン    「時間どうりに起こしてくれる葉牡丹が偉大と思ってきた

     レンでお送りするぞ!」

葉牡丹   「調子戻ってきたっすね。レン姉様」

レン    「いや俺男だからな!」

葉牡丹   「じゃ、鬼百合チャンネルのスタートっす」


ー 鬼百合家 夜 鬼百合チャンネル ー


葉牡丹   「早速始まりました鬼百合チャンネル、今日も緩ーく

     オンエアっす」

レン    「ファスト小説ってなんだ?映画なら聞いたことがあるが?」

葉牡丹   「現代人って忙しいっすから。この話を見れば

     だいたいわかるようにシナリオを紹介するっす」

レン    「切り抜きってのも分からないぞ?」

葉牡丹   「動画で盛り上がったところだけを編集して

     新たな動画を作ることっす。総集編とも呼ぶっす」

レン    「ホントは全部見てほしいけどな」血涙


葉牡丹   「じゃあまず姉様、自己紹介を」

レン    「ああ、俺は鬼百合レンジ!男子学生でオレンジ髪の

     ツンツンヘヤー。超再生能力で事実上の不死だ!」

葉牡丹   「そんな姉様ですが〇勢されたり、

     悪徳業者に騙されて買った新装備を手に入れて、

     私と結婚して、闇堕ちして、姉妹喧嘩に負けたっす」

レン    「うわぁ、いいとこないじゃん。俺!」

葉牡丹   「ちゃんとカッコいいとこもあるっすよ?例えば」


ー 回想シーン  謝肉祭遊園地 夜ー



 ビームが直撃し霧散後、姿を現した”彼”はゆっくりと敵へ歩き出した。




ハボタン   「レンジ・・・様ですよね?女体化してしまったのですか?」


レンジ    「残念ながら俺は俺だ。


      こんなところで倒れてなどいられない。


       安っぽいプライドなどセルフ〇勢してトイレに流した。


      よって女体化ビームは不発!!」


バチノス   「回復能力持ちとはいえ自ら切除する勇者に敬意を送る」


レンジ    「俺も少しは有名になったのか。嬉しいぞ!


      懸賞金持ちを倒せば生活が楽になる!」


バチノス   「だが相棒は虫の息、どうする?少年!」


レンジ    「決まっている!見知らぬメイドと共に家に帰るのさ!」



ー 鬼百合チャンネル ー     

     

葉牡丹   「いやぁカッコいいっすね。姉様のセルフ〇勢宣言」

レンジ   「なんでだよ!!もっとカッコいいシーンあっただろ!

     敵倒したところとかさ!」


ー 回想シーン 遊園地 ー      


 殺虫剤を空中に撒き掃除機で一刀両断する!ガスの塊に高速で一撃を与え

摩擦を発生。掃除機に火炎を纏わせる。


レンジ   「今日も家計は火の車!焦熱狂焔しょうねつきょうえん

     アドマイア・オールマイティ!!」


ー 鬼百合チャンネル ー


レン    「必殺技シーンを入れてさ。印象操作狙うんだよ。

     そうすればファンも!」ぐへへ

葉牡丹   「また自己顕示欲が出ましたか。そぉい」ブチィ

レン    「がああああああ!もうしませんごめんなさい!」

葉牡丹   「姉様は油断すると闇落ちしますから、

     軌道修正が大変っす」

レン    「葉牡丹の紹介はしなくていいのか?」

葉牡丹   「ゑ?私はいつでも姉様ラヴですから。

     今とさほど変わんないっすよ?」

財布    「あはははは!なら私の紹介といこうか」

レン・葉牡丹「うわぁ」絶望


財布    「私は財布の暴虐者!前述のとおりレン君に

     XNーVRを提供した善人だ!!」

レン    「違うだろ!ほとんどの有り金持ってきやがって!!」

葉牡丹   「(引き気味)あの、呼んでないっすけど」

財布    「いやぁ、チャンネル復活祝いにとやってきたんだ。

     たまたま鍵開いてたし」

葉牡丹   「暴虐者さん。ピッキング対策の商品が欲しいっす。

     あなたが入れないような強力なやつっす」ガン見

財布    「ごめんごめん。今、品切れなんだ」眼反らし

レン    「もう自白だろコレ!神妙にお縄につけぃ!」御用だ御用だ!

財布    「こちらチョコケーキにございます」スッ

葉牡丹   「財布屋、お主も悪よのぉ」センス広げー

レン    「くそ!葉牡丹が買収された!!」

財布    「まあ元気そうで何よりじゃないか」

レン    「本調子じゃないっすよ。なんかメイドに変身できないし。

     まさか試作機だからって不良品を押し付けたんじゃ?」

財布    「それは君の心の持ちようだ。メイドになることへの

     罪悪感があるだろ?脳にいくら電気信号送ったって、

     やりたくないことはできないものさ。

     夏休みの宿題と一緒」

葉牡丹   「覚悟がないとだめってことっすか?」

財布    「まあ、試作機だからな。今後敵の数が増えれば

     量産も視野に入れるが、覚悟の無いものにチカラを与える気はない。

      レン君のメイドへの憧れが復活しない限り

     葉牡丹君の足を引っ張り続けることになる」

レン    「俺は・・・」

葉牡丹   「罪悪感なんて感じなくていいっすよ?

     私は姉様が前を向いてくれただけで嬉しかったっす」

財布    「しょうがないな。ほら、ソーイングセット。

     後で返してくれよ?」

レン    「こんなもので一体何をしろと?」

財布    「君が切ってしまったメイド服を自分で直すんだ。

     取ってあるんだろ葉牡丹君?」

葉牡丹   「今持ってきますね」

レン    「仮に修復したって人に見せられるもんじゃないっすよ」

財布    「ああ、そうだ。一生消えぬ十字架だ。

     見せしめにはちょうどいいだろ?姉妹喧嘩なんて

     碌なことにならないって反面教師動画さ」

葉牡丹   「持ってきたっすよ。うわ、結構ズタズタっすね」

レン    「平常心ではないにしろ俺はなんてことを」肩フルフル

財布    「今の君なら直せるはずだ。不格好でも構わないさ。

     少なくとも私ができるのはここまで。

     健闘を祈るぞ。姉妹達!」じゃ、そういうことで

葉牡丹   「しょうがないっすね、手伝うっす」

レン    「あー!!もっと家庭科真面目に受けてりゃよかった!

     針穴に糸通らねぇえええええ!!!」腕プルプル

葉牡丹   「銀色のアレ使うと楽っすよ」

レン    「ホントだ!!すげええええええええ!!」

葉牡丹   「姉様ェ」初歩の初歩っすよ

レン    「いかん!俺が不器用だとばれてしまう」配信終わりー


 あの後メイド服は修復されたっす。姉様は着ませんでしたが、

部屋に飾っているっす。良くも悪くも思い出の品っすから。

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