Evol.010 探索者としての憧れ
降って沸いた金貨。
「あっ」
その使い道について考えていたら、しばらくは無理だと考えていたことを思い出した。
「魔導書を買おう」
それは魔法を覚えること。
魔法は適性がないと覚えることが出来ない。ただ、適性があるだけでも使用することはできない。魔法を使うためには魔法スキルを覚える必要がある。
魔法系の役割を授かった人は最初から適性と幾つかの魔法スキルを持っているが、そうじゃない役割の場合、適性だけを持っていることが多い。その場合は魔導書を読んで別途魔法スキルを取得する必要があった。
ただ、一つだけ問題がある。それは魔導書が高いということだ。魔導書はダンジョンでドロップするアイテムで絶対数が少ない。そのため、一番下の最下級の魔法スキルでも金貨一〇枚はする。
俺は元々スキルが何もなかったため、半ば諦めていたが、進化して適性が発生したことで実は早く魔法を覚えてみたいと思っていた。
ただ、魔導書を購入するお金がなかったため、魔法に関しては保留にしていたのだ。しかし、その金は今俺の手の内に存在する。だから思い立って魔導書を買い求めようと思ったわけだ。
「ありがとうございましたぁ!!」
俺はその足で魔道具店に赴き、火、水、風、土の四種類の最下級の属性魔法の魔導書をギルドカードの支払い機能で購入してから、一度宿の自室へと戻った。
―ゴクリッ
俺は一つ金貨一〇枚した四つの属性魔法の魔導書をベッドの上に並べて並べて喉を鳴らす。
今までの人生で一番高い買い物だった。
「よし、使うぞ」
適性があれば、魔導書を開くことで魔法スキルを得ることが出来る。俺は最初に火の魔導書を開いてみた。
「くっ」
中には複雑な文字列や魔法陣が記載されていて開いた瞬間に、頭の中に直接情報が送り込まれて少し目まいがして少しふらついた。
しかし、それも一瞬のことですぐに納まる。
「これで魔法を覚えたのか?」
俺は自分の手に視線を落としてみるが実感がわかない。だからすぐにステータスを確認してみた。
――――――――――――――――――――
名前 ラスト・シークレット
種族 普人族
レベル 15/99
能力値
力 :840(+70)
体力 :840(+70)
魔力 :840(+70)
敏捷 :840(+70)
器用 :840(+70)
運 :840(+70)
スキル
威圧(下)、統率(下)、配下スキル軽減化(下)
教育(下)、全魔法適性、火属性魔法(最下級)、
水属性魔法(最下級)、風属性魔法(最下級)、
土属性魔法(最下級)、獲得経験値増加(二倍)、
成長速度向上(二倍)、成長限界突破、
ステータス上昇値最大値固定
――――――――――――――――――――
「おお!! やったぞ!! 魔法を覚えてる!! それに滅茶苦茶モンスターを倒したせいかレベルもめっちゃ上がってるし!! くぅ~!! まさか魔法まで覚えられるようになるとは思わなかった。こうしちゃいられない。ダンジョンに行こう!!」
俺は昨日同様に魔法の試し打ちをするため、すぐにダンジョンへと駆けだした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます