Evol.007 ゴブリンの殺戮者 駆逐してやる!!

「夜にダンジョンに来るのは初めてだな。めっちゃワクワクする!!」


 やはり進化した力を実感してみたい。その気持ちには勝てない。


「やっぱり慣れ親しんだゴブリンで試してみよう」


 俺はゴブリンを求めてダンジョンを走り出した。


 ホブゴブリンを倒した時もそうだが、今までとは段違いに体が軽くてつんのめりそうになるが、二五年で培ってきたバランス感覚でなんとか体勢を立て直し、徐々に慣れていく。


「あ、いた」


 数分程走るとゴブリンが丁度よく一匹でいたので見つかるのも構うことなく、突進した。


「ゴブゥ!?」

 

 ゴブリンは俺が突っ込んできたことで驚いているが、不意を突かれたのと、俺のスピードに狼狽して体を硬直させてしまっていた。


「ふっ」


―ザシュッ


 その隙を逃す俺ではなく、一刀の元に切り伏せる。


「ゴブゥ……」


 ゴブリンは燐光となって一瞬でお亡くなりになった。


「おっ。レベルが上がった」


 一匹殺しただけで俺のレベルが上がったのが分かった。


――――――――――――――――――――

名前  ラスト・シークレット

種族  普人族

役割ロール  中ボス(2/5)

レベル 2/99

能力値

力  :710(+10)

体力 :710(+10)

魔力 :710(+10)

敏捷 :710(+10)

器用 :710(+10)

運  :710(+10)

スキル

威圧(下)、統率(下)、配下スキル軽減化(下)、

教育(下)、全魔法適性、獲得経験値増加(二倍)、

成長速度向上(二倍)、成長限界突破、

ステータス上昇値最大値固定

――――――――――――――――――――


「うはっ!?」


 俺はステータス上昇値最大値固定と成長限界突破の効果を確かめるためにステータスを開いて確認すると、その上昇値に驚く。


 一般役割の六~一〇倍だ。上位役割でも全体の合計値で最大四〇であることを考えると、全体で六〇上昇している俺は上位役割の人間の一.五倍は確実に強くなれるってことだ。


 俄然やる気が出てきたぞ!!


「あははははははははっ」


 俺は高笑いをしながらゴブリンを切り捨てながら駆け抜けた。


「ゴブゥ……」

「ゴブゥ……」

「ゴブゥ……」

「ゴブゥ……」

「ゴブゥ……」


 何匹もゴブリンが一撃で光の粒子になって消えていく。


「はぁ……はぁ……」


 一階層のゴブリンが見当たらなくなったら二階層、二階層にいなくなったら三階層、三階層にいなくなったら四階層、気付けば五階層まで来ていた。


「ホブゥ……」


 なぜ分かったかと言えばホブゴブリンが通常のモンスターとして出現し始めたからだ。そのホブゴブリンも難なく倒してしまった。


「ちょっと調子に乗りすぎたな……」


 ここまで来るまで何百匹を超えるゴブリンを屠ってきた。流石に疲労がたまり、その場で膝をつく。


 嬉しさのあまり後を考えずにレベル上げしすぎた。


「いやぁ、こんなに簡単にモンスターを倒せる上に、レベルもガンガン上がっていくなんてホント進化クラスチェンジ様様だな。どのくらい上がったかな?」


――――――――――――――――――――

名前  ラスト・シークレット

種族  普人族

役割ロール  中ボス(2/5)

レベル 8/99

能力値

力  :770(+60)

体力 :770(+60)

魔力 :770(+60)

敏捷 :770(+60)

器用 :770(+60)

運  :770(+60)

スキル

威圧(下)、統率(下)、配下スキル軽減化(下)、

教育(下)、全魔法適性、獲得経験値増加(二倍)、

成長速度向上(二倍)、成長限界突破、

ステータス上昇値最大値固定

―――――――――――――――――――― 


「うひょー!! たった一日で七つも上がってる!! 雑魚の時の一番最初の頃だってこんなのなかったぞ!!」


 再び確認したステータスではレベルが八まで上がっていた。今までこれほどまでに早くレベルが上がったことはない。


 それにステータスがヤバい。こりゃあランクアップする日も近いかもしれない。


「レベル一〇まであげちゃうか?」


 ここまで来たらなんとなくキリの良い数字までレベル上げしたくなってくる。


「よーし、行くぞ!!」


―ドドドドドドドドドドッ


 欲をかいてさらにレベルを上げるため、いざ出発しようとしたが、そうはいかなかった。なぜなら俺の背後から何かが迫ってくるように地響きが伝わってきたからだ。


「な、なんだ!?」


 声の方を見ると、モンスターの大軍が必死に走る女性探索者の後から迫ってきていた。

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