エンディング:金剛

GM: では、あれからしばらくたった日、あなたは学校の休み時間、教室で過ごしていた。

 ふと目を教室内に滑らせると、そこには今までと何も変わらない日常の風景。

 ただ、矢神の席だけがぽつんと、置かれてある。

『転校した』という事になっている。


金剛:(矢神……)思いふけった顔で矢神の席を見つめています。


GM: そして、そんなあなたに話しかける一つの影。


綾瀬(GM):「どうしたの金剛くん? なにかあった?」綾瀬真花。君達が助けた女の子。

 UGNの記憶処理を受け、オーヴァードやあの事件の事をすっかり忘れた様子だ。


金剛:「んやー……ただどこに転校しちまったんだろうなって思ったんだ」矢神の席を眺めつつ。

 ちなみに綾瀬さんについては、好きな子を助けたことを覚えていて欲しいとかの下心もあったけど、いや綾瀬さんを巻き込まないって決めたろ俺的な押し問答を記憶処理のことを教えてもらったときにしてた。


GM:なるほどなるほど。

金剛:カッコつけたい生き物だからね。


綾瀬(GM):「突然だったもんね、矢神くん……何かあったのかなぁ? 最近、矢神くんが荒れてたのって、転校の事があったから、なのかなぁ……?」


金剛:GM。矢神ってやっぱり綾瀬さんのこと好きだったんですよね?

GM:好きでしたねー。ジャームになる前から好きでしたが、ジャームになって歪んだ感じです。


金剛:はーい。

(矢神もしかしてお前も……)記憶の中の教室で綾瀬と喋る金剛を眺める矢神をふと思い出す。

「……荒れてたのはきっと欲しいものが、こんなにも近くあるのに遠くてもどかしくて───そんなのだったかもしれないな」独り言気味にそう言いましょう。


GM:おっけー。ならこれは聞こえてない事にしよう。


綾瀬(GM):「……あ、そうだ。金剛くん、この前はありがとうね」ふと、彼女はそんな事を言った。


金剛:では独り言を打ち消し気味に、

「えーっと、ありがとうってどういうこと? なんかお礼言われるようなことしたっけ俺?」


綾瀬(GM):「あれ……えっと……なんだろう?」

「よく、わかんないけど……なんだか、お礼を言わなきゃ。って思って」

「ご、ごめんね? 何言ってるんだろ私……?」無自覚で言った言葉に、自分で少し戸惑っている。


金剛:「そっか、だよね。いやいや! いいよ気にしない気にしない。むしろ、綾瀬さんからお礼言われて棚から牡丹餅ってやつですな。なーんて」


綾瀬(GM):ではそんな金剛さんを見て、

「……なんだか最近、雰囲気変わった?」って言うかな?


金剛:「ははは、そうかな?あんまり変わった自覚ないや」


綾瀬(GM):「変わったよー。私に対して『僕』って言わなくなったし」


金剛:「あっ!完全に無自覚だった」げっ! って顔しますねw


新河:多分PLも無自覚っぽいとこ突くのいいなw

金剛:最初は「僕」を意識していたけどw無自覚だったw

新河:これは素敵w

GM:へっへっへ、最初はそう言ってたからEDで拾いたくてね!


綾瀬(GM):「あはは、そっちの方が私は好きだからいいけどね」

「そっか、うん……じゃあさ、今度遊びに行かない?」


金剛:「えー、えっ? マジですか。不肖金剛拳也喜んでお誘いを受けさせて───」

 言い切ろうとする前にちょっと考え込む。

(オーヴァードになった俺が綾瀬さんと仲良くして良いんだろうか? また危険な目に遭わせやしないのか? 人間を止めてしまった自分と人間の彼女では釣り合わないのではないだろうか?)

 そのようなことが頭をよぎる。だが、眼前の彼女の顔見ると、

(だけど今は───)

(もう少しだけ、この学生という時間を楽しんでいよう)

 そう思い彼女の誘いを最大限の笑顔で受けるのだった。


「────お誘いを受けさせていただきます! 是非!」


篠宮:青春してるなぁ……。


金剛:「いやぁ、デートのお誘いだなんて照れるなー」


綾瀬(GM):「ふっふっふ、まだあの時の質問も答えて貰ってないしね────」と、言った所で休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。

「あ、もう終わりか……じゃあ、予定とかは後にするとして……」

「それじゃあ金剛くん、『またね』」と、何気ない日常の約束を交わし、綾瀬は席に戻る。


金剛:「うん、『またね』」と手を振ります。


GM:さぁて! 何も無ければこのまま描写挟んで終わります!


金剛:はい、描写お願いします。


GM:こうしてあなたは、オーヴァードという異能の世界に足を踏み込んだ。

 いつか人で無くなるのかもしれない。矢神のように、絆を失い堕ちてしまうかもしれない。

 だが────あなたは、オーヴァード(人間)だ。

 守るべき物がある。守りきった物もある。ならば大丈夫だ。その握った拳を携え───


 オーヴァード、金剛拳也────コードネーム『ヴァジュラ』は、これからも進んでいくのだから───



GM:……はい!! それではダブルクロスThe3rdEdition『クランブルデイズ』これにて完結!! お疲れ様でしたー!!


一同:お疲れ様でしたー!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る