放課後は?

「ワールドカップみた?」

「私は見てない」


答えたのは三森。


「見たよー、清水も見たんだ!」

「え、見てないけど」

「見てないのに聞いたの?」


 どう言うことだよ、と困った顔をした進堂の目の下には深夜までテレビと向き合っていたのだろう、うっすらクマがある。


 連日続くサッカーワールドカップ。昨日は深夜12時にキックオフだったらしい。テスト前であろうと日付が変わる前に寝ている美玲には厳しい時間帯だ。三森は、「今日語るつもりで試合見てきたんだと思ってた」なんて言う。


 たいしてルールもわからない三人でどうやって語るのか。二人ともそんなにミーハーだっけ。


 瞬間、不自然な間が空き、目の前の二人は凄い勢いで美玲に突っ込む。


「このメンツじゃなくてさ、、」

「彼氏とだよ!」

「今日一緒に帰る日だろ!」


、、、、ほお


「逆にいつも二人なに話してるの」

「清水って彼氏に興味も執着もないよね」


いや、そんなことは、、


「井山ちゃんとか彼氏が好きって言ってくれ

 ないって理由で最近別れたんだよ?」


それには驚いた。井山ちゃんは男女共に認める学年一の美女だ。そんなに彼氏に沼るタイプだったのか。


「これ、普通だからね?」

「それに比べてうちの清水は、、」

「彼氏と話せそうな話題スルーって、、」


 なるほど。ワールドカップはあいつとの話のネタというわけか。


「盲点だった、、

 今日のネタのために情報提供頼む」

「もーあいつから直接聞きな!」

「でもー」

「サッカーのルールは分かるんでしょ?」

「授業のおかげでね」

「じゃあ大丈夫」


大丈夫って思ってないだろ。


 心配になってきた美玲は、一応代表選手の名前は見ておこうとサイトをひらいた。



 

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