保健室
消毒の匂いがする。保健室だから当たり前か。美玲はカーテンに囲まれたベットの上で目を覚ました。もう頭痛は治まったが、体がだるい。
いまは何時だろうとスマホを確認するため、そっと右手をポケット入れる。しかし、ポケットに入ってたのはスマホではない。
「……てち」
美玲が通学リュックにつけているクマのストラップだ。てちは名前。高二にもなって人形に名前をつけているのは、少し恥ずかしいが、許してもらうしかない。
てちのお腹を握ると、かさかさ音が鳴る。
もう一度寝ようかと考えている間にチャイムが鳴った。左ポケットからスマホを出し確認すると、11時30分だ。3時間目が終わったらしい。次の授業は化学だったはず。
少し考え、美玲はカーテンを開けた。
「せんせーい。教室戻るねー」
欠課表を書き保健室を出ると、廊下で男子二人組が話し込んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます