31,エヒムと愉快な仲間達






 ぐりぐりと眉間を揉み、俺は眼前に跪く二人のシスターを見下ろした。


 新たな住居に足りない家電を、持て余している現金で一括購入した帰りのことだ。シニヤス荘の軒先で埼玉から帰還してきたフィフとシモンズ、ローゼンクロイツの三人と対面することになり、あまつさえ予想だにしていなかった報告をされて頭痛を覚えたのである。

 フィフは言った。【天罰】の面々を、シモンズとローゼンクロイツ以外は間引いてきたと。バレないように後ろから殺したと。当たり前のように、人間を殺したのだと誇らしげにして。

 このフィフは、ヌイグルミの時と記憶や自己認識が地続きになって連続しており、別個体というわけでもない状態だ。俺の分身なだけあって、本体である俺を最優先に物事を考え行動するように設定してある。だというのに何故、彼女は人間を殺した? フィフは俺の分身のはずだろう。これだとまるで、俺がなんの躊躇いもなく人を殺せる人でなしみたいじゃないか。


 だが訳も聞かずに弾劾するのは早計だ。


 フィフが俺の分身として正常なら判断をしたなら、二人だけ残して【天罰】の人たちを皆殺しにした理由があるはず。なんらかの処置を下すにしても訳を聞いてからでも良いだろう。


「……シモンズさん、ローゼンクロイツさん。お二人は少し、ここで待っていてください」

「……はい」


 沈痛な面持ちで頷いた二人の様子は気がかりだが、ひとまずフィフに向けて顎をしゃくり、付いてくるように促して踵を返すと彼女達から距離を置く。

 念の為シモンズ達に会話が聞かれないように気を遣い、背中を向ける。心得たように肩を寄せてくるフィフは、底の知れない不気味な笑みを湛えていて、俺は苛立ちつつも小さな声で詰問した。


「俺が何を聞きたいか分かっているな? 簡潔に説明しろ」

「そんなに殺気立たなくてもいいじゃない。言われなくてもそのつもりよ。私も無駄なことはしない主義なのだし、少しは信じてくれても良いんじゃないかしら」

「御託はいい」

「はいはい、怖いから睨まないで」


 厳しい声に肩を竦めたフィフが、ちらりと背後のシモンズ達を一瞥する。そうしてから、簡単な数式を解くかのように、理路整然と現場で起こった事態の説明を始めた。


「第一に、このままあの子達を帰らせたらエヒムにとって不都合なのは分かるわね?」

「……ああ」


 俺の所在地が【救世教団】に知られるのは困る。中級から下級の天使、信徒達は構わないが、オリジナルのフィフキエルと同等かそれ以上の実力者が揃っている、【下界保護官】の上級天使達が来訪してきたらどうなるか、結果は火を見るよりも明らかだろう。

 他の上級天使達はフィフキエルと違って弱体化してまで信徒を守らないし、油断はしていても慢心はしていない。職務に忠実だからだ。そしてもし幸運にも彼らが俺をフィフキエルだと誤認したとしても、フィフキエルとしては異常な状態である俺を天界とやらに連れ帰ろうとするのは自明。調整されたら俺は死ぬ。この体は変わらず生きていたとしても、精神性がフィフキエルのものにされるのだ。それは俺の自我が失われるという意味であり、つまりは俺という存在の死――消滅を意味する。


 天界とは何か。調整とは何か。詳細をフィフキエルは知らない。それが意味するのは、フィフキエルの知識を継承している俺も知り得ないということ。

 天界がどういう場所で、調整とは何かを知っているのは上級天使でも一体だけだ。それは下界保護官席次一位、【光が指し示す法】ミカイエル……ないとは思うが、もしミカイエルが俺のところに来てしまったら、終わりだ。ミカイエルの保有する天力量は、全ての下級から上級天使を含めたものに匹敵する。単純な戦闘力ならフィフキエルの実姉キミトエルと同等だが、天力量の差が桁違いであるため上下関係は決して覆らない。


 故に万が一がないように、俺の居場所を知られないようにするのは当然の措置ではある。


「だからと言って殺して良い理由にはならないだろう」


 何も殺すことはない。俺が東京から離れるか、日本から出て行けば済む話なのだ。俺の能力があれば言語の壁なんかないのだし、どこでだって生きていけると思う。

 俺の反駁に、フィフは真顔になって言った。


「私だってそれだけを理由に間引いたわけじゃないわ。第二の理由として現場の状況と、あなたの置かれている状況や環境が挙げられるの」

「状況と、環境だと?」

「環境に関してはあなたも知っているはずよね? 私の知識を共有しているんだから」

「ああ……日本は身を隠すのに最適の国だ。なんせ日本は最も【教団】の影響が薄い国だからな。どこにでも連中の目があるわけじゃない」

「ええ。だから現場の状況を聞けばあなたも納得するはずよ」


 納得。人を殺した理由に俺が納得するはずだ、だと?

 訝しんで先を促すと、フィフは淡々と続けた。


「先に言っておくと、エーリカとクリスティアナはあなたの力、『言霊』で連れ帰ってきたわ。エヒムがしているように『転移』の要領でね。だから時系列としてはさっきの話になる」


 言われてみれば、今のフィフは俺のコピーである。俺と同じ力を盛っているのも当然だ。道理で東京に帰ってくるのが早かったわけである。


「私はあなたの望み通り、この子達の仕事を見守っていたわ。【曙光】の奴らが無辜の民を巻き込みながら攻撃してくるのに、苦慮しながら応戦する様子をね」

「………」

「これも先に言っておこうかしら。さっきまでいたテーマパークで、多くの人間が死んだわよ。巻き添え上等で攻撃してきてた奴らのせいで。相手は雑魚ばかりだったから、最初は民を守りながらでもあの子達は優勢を保てていたんだけど……急に強い奴が現れたから」

「……強い奴?」


 多くの一般人が死んだと聞かされてピクリと眉を動かすも、それに関しては特に思うこともない。

 沈痛な気持ちになるだけだ。テレビやネットで痛ましい事故を知った時のように。

 何故ならこの件に関して俺は無関係だから。酷い話だとは思う、しかし無関係な事件にまで共感して哀れんだり、憤ったりはできないのだ。あくまで他人事なのだから。

 仮に俺がいなかったとしても、使命を帯びていた【天罰】はエーリカに率いられて埼玉のテーマパークに襲来し、【曙光】と交戦していたはずである。故に俺は悪くないだろう。俺にその痛ましい事件を防ぐ力があったとしても、防いでやる義理はない。義務もない。青い正義感に身を任せられるほど、俺は聖人じゃないのだ。これはいたって一般的な感性のはずである。


 故に俺が気になったのは、フィフの言う強い奴だ。

 俺の分身が強いと称するということは、俺にとっても脅威に成り得る存在だということだから。


「ソイツは老いぼれだったわ。コートを着た紳士って感じの。ソイツは少数の悪魔を率いていて、それはもう派手にヤッてくれたわよ」

「老いぼれ……お前は何もしなかったのか?」

「ええ。私が本物のフィフキエルならともかく、身を危険に晒してまで助けてあげる義理はないし? あの子達には悪いけど、もともと死んでくれた方が都合が良いとも思っていたし。ついでにその老いぼれってば、たぶんだけどゴスペルぐらいには強かったのよ。分身に過ぎない私じゃ手に負えないわ」

「………」


 ゴスペルと同程度の強さの老紳士と聞いて眉を顰める。これはエヒムである俺の主観だが、上級天使フィフキエルの知るゴスペルは力を隠していると判断している……が、公にしているだけの実力でも、ゴスペルは英雄級の強者である。それなら確かに分身であるフィフの手には負えない。今の俺でも最初はロイにされたようにサンドバッグにされかねなかった。


「だからか。放っておいても全滅しかねかなったから、シモンズさんとローゼンクロイツさんだけ回収し撤退を選んだ、と」

「その通りよ。ゴスペルがあそこにいて、なおかつ私が手助けしたなら問題なく勝てたけど、あなたに関わる利害としてはリスクが高い状況だったの。纏めると、あの子達を生かしたままだとあなたの居場所が【教団】に露見する。身を隠すのに最適な日本から離れないといけなくなる。デメリットはそんなところね。逆にあの子達を間引くメリットは【教団】にあなたの所在が割れない、あの子達が死ぬことで与えたままだった加護が還元され、あなたの天力量が元に戻る……ってとこかしら。これだけの理由があれば、むしろやらない理由を探すほうが難しいと思うわよ?」


 理屈は分かる。納得もできる話だった。人命を考慮に入ず、合理性のみで下した判断であっても。

 確かに彼らが死んでいくにつれ俺の天力量は大幅に上がっていた。エヒムとして新生した直後と比べたら、今の俺の天力は五十倍近く跳ね上がっている。これだけの天力があるなら、大抵の相手は俺の『言霊』の出力を上げるだけで無理矢理にでも対処できるだろう。

 そんな明白な利益を享受していながら、フィフの行いを咎めるのは筋が通らない。だが一つだけ理解できかねることがあった。


「ならば何故シモンズさんとローゼンクロイツさんだけ生かして連れ帰った? 彼女達を連れ帰っている今、お前の言い分に一貫性がないように見えるぞ」

「しょうがないじゃない。【天罰】のあの子達は、力の根源があなたありきとはいえ、【教団】内でも精鋭と称するのに不足がない子達なのよ? 残らず始末するより、連れ帰って手駒にした方が有用だと思うわ。何よりエーリカとクリスティアナは、私……もといフィフキエルに対して個人的に仕える子なの。あなたか私が言えば平気で【教団】を裏切って、私達の下につくはずよ」

「………」


 上級天使フィフキエルに仕える一族は、ゴスペルのマザーラント一族の他にもある。シモンズがそうだし、ローゼンクロイツもそうだ。他にはあと二つ、マモンとクインスという一族もいる。

 当代のマモンとクインスは実力不足として【天罰】に入隊を認められなかったからいないが、ゴスペルやシモンズ、ローゼンクロイツだけは自分の駒だとフィフキエルなら言い切るだろう。

 その割にフィフキエルはローゼンクロイツに大して関心がないようだが。

 フィフキエルがあてにしていたのがゴスペルで、気に入っていたのがエーリカ・シモンズ。クリスティアナ・ローゼンクロイツは一応手駒の一つ程度の認識だった。


 俺としては手駒なんか要らない。だが要らないという思いは感情面での話であり、合理的に見るならいた方がありがたくはある。俺は再び気落ちしているシモンズ達を見遣って、嘆息した。

 自分達を残して同僚が全滅している今、彼女達の内心はどうなっているのやら。そう思いを馳せようとして、やめる。無意味だからだ。俺には彼女達を思いやる資格がない。


「……分かった。だが俺は彼女達の面倒を見ないぞ。拾ってきたお前が世話してやれ」

「最初からそのつもりよ。こんな形で部下を持ったらあなたの負担になりそうだもの。けど一つだけ頼まれてくれないかしら」

「社長だな。シニヤス荘に彼女達を住まわせてもらえないか相談してやる。それでいいだろう」

「ええ、頼むわね。私はあの子達に、私が堕天・・して【教団】から離れることを伝えておくわ。もしちょっとでも反感を示すようなら、私が責任を持って処分するから安心していいわよ?」

「……ああ」


 非道で、非情だと思う。

 だがフィフの冷酷な物言いに、心のどこかでホッとしている自分がいるのに俺は気づいていた。

 俺が感情的に容認できないことを、フィフが進んでやってくれるのは助かるからだろう。

 腹の中で俺は悪くないと、責任転嫁をしたがっているのだ。


 情けないのではなく、残酷な態度だと思う。徹底してシモンズ達の進退に関心を寄せないのは、俺が彼女達の今後に対して無関心な証拠だろう。俺が元々そういう冷たい人間だったのか、それともエヒムになったことで感性や価値観が変化してしまったのか。自身の精神状態を俯瞰してみようにも、本心ではどうでもいいなと感じていて真剣に考えられない。

 フィフがシモンズ達のもとに歩み寄るのを尻目に踵を返し、俺はシニヤス荘の一階にある女神アグラカトラの部屋を訪ねることにした。色々と話を通しておかないといけないからだ。


 コン、コン、コン、とノックをする。

 ガチャリと開かれた扉から、女神が輝く笑顔で迎えてくれた。


「おーう、エヒムやん。丁度いいとこに来たね、上がってくんな」









  †  †  †  †  †  †  †  †









 通された先は見知った和室。

 シニヤス荘というチンケなアパートに相応しくない、雅な内装の部屋だ。


 畳の匂いが肺を満たし、懐かしの実家を思い出させてくれる。今は遠い望郷の香りだ。

 しかし感傷的な気分にはなれなかった。その和室には見知らぬ老婆と老人がいたのである。


「ん……」


 ビリ、と皮膚の上を静電気が嘗めたような心地。老体とは思えないほど筋骨逞しい翁は、戦国時代の老将の如き迫力を醸している。眼光鋭くこちらを見る視線は刃物のようで身構えてしまった。

 反面、翁とは正反対に存在感が薄い老婆。着流し姿の翁とは異なり、上品な和服に身を包んでいる。こちらは人の良さそうな雰囲気であり、縁側で猫を愛でていそうな空気を纏っていた。


「紹介すんな? この老いぼれ共はあたしの仲間、【曼荼羅】の初期面子よ」


 後ろから肩に手を置いてきた女神アグラカトラが、にかりと笑いながら言った。


「爺の方は坂之上信綱。婆の方は勅使河原誾。オマエとコイツらにゃ上下関係なんざ無ぇから、普通にドついでもええけんな?」

「おう、儂が坂之上よ。お誾共々老い先短けぇから、長い付き合いは期待できんがよ、せっかく縁のできた人でなし仲間だ……精々愉快に絡んでくれや」

「………」

「ああ……すまんねぇ、坊や。いやさお嬢さんかな。ともあれ、この老害の言の葉は真に受けんで聞き流してええよ。ウチは主神殿のご紹介に与った通り、勅使河原って婆さ。よろしく頼むよ?」


 坂之上に人でなし呼ばわりをされ、咄嗟になんと返したものかと言葉に詰まると、勅使河原が自然な形でフォローを入れてくれた。俺はそれで気を持ち直せて、二人に対して会釈をする。


「先輩方に先に挨拶をさせてしまい申し訳ありませんでした。私はエヒムといいます。【曼荼羅】へは先日入社させていただいた者です。なにぶんこの業界での経験は浅く、右も左も分からない未熟な若輩者ですので、どうぞご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします」

「止せ止せ、儂は堅っ苦しいのは嫌いだ。そういうんが嫌で隠居しとったんだからな」

「この爺に同意すんのは癪だがウチもそうだよ。そもそもウチらは人様から敬われるほど上品に生きてきちゃいない。ついでにお前さんの流儀に合わせて言うなら、ウチらはここの社員じゃなくてお客様みたいなもんさ。正社員第一号はお前さんってことになるね」

「……そうなんですか、社長?」

「んぉ? ぉう、まあ……そうともいう?」


 勅使河原の台詞を聞いてアグラカトラに水を向けると、彼女は曖昧に濁しながら肯定した。


 ……どうやら俺は、とんでもない零細企業に転職してしまったらしい。これは早まったかなと思いかけるが、入社してしまったものは仕方ない。それに、悲観するのはまだ早いだろう。

 というのも坂之上と勅使河原は、パッと見ただけで分かるほど莫大なエネルギーを秘めている。魔力や天力とは違う、社長の神力とも違う。おそらく人間だけが有する霊力という奴だろう。

 霊力は魔力や天力、神力や妖力などの性質を選んで出力できる万能エネルギーだ。霊力持ちの人間は魔術だろうと聖術だろうと、好きなものを扱えるのである。

 加えて彼らが漲らせている生命力の強さときたら、俺をサンドバックにしてくれた、あの忌々しいロイよりも数段格上だと感じる。……正社員が俺しかいないというのはアレだが、彼らが味方としているのなら大いに頼りになるだろう。バイトの家具屋坂刀娘も、いずれ正社員として入社してくれたらもっと頼れるようになるはずだ。


 コホン、とアグラカトラがこれみよがしに咳払いをした。


「まあええやん。エヒムがいて、この老いぼれ共がいて、刀娘っちゅう将来性抜群の子もいる。あたしらはこっからデカくなるんよ。顔合わせも済ませたんじゃし、互いに好きに絡んで、好きに遊んでくれな。ああ、もちろん危害を加えるんはナシよ? そんなことしたら除名処分にしなくちゃならんくなるし」

「はい」

「んで、こっから仕事の話をしたいんじゃけど……その前に。エヒム、外におるの、誰?」

「あぁ……今から説明します。彼女達は――」


 と、言いかけた直後。不意に轟音が鳴り響き、軽度の地震がシニヤス荘を揺らした。

 おいおいと思う。目をぱちくりとさせたアグラカトラより先んじて、坂之上がまっさきに立ち上がり玄関へ向かう。玄関扉を躊躇なく開け放った彼の手には、鞘に収まっている打刀があった。

 嘆息して坂之上に続くと、背後に勅使河原がつく。坂之上の肩越しに外を見ると、そこには予想外の光景が広がっているではないか。


「――もう。ヤるならもっとスマートにしなさいな。エヒムがびっくりしちゃってるじゃない」

「も、申し訳ありませんでしたッ! エヒム様、フィフ様!」


 なんと血塗れのシモンズが、フィフと俺に向け交互に頭を下げていて。

 頭部を粉微塵にされたシスターが、地面に脳漿をブチ撒けていたのだ。


「………」


 絶句する。シモンズが浴びているのは返り血だろう。

 手にしているトンファーにも、血や髪の毛が付着している。

 唖然としていると、フィフがこちらに向き直って微笑んできた。


「ごめんなさい。『言霊』で本音を話させたら、クリスティアナはあなたについていくことが出来ないって言ったのよ。エーリカったらそれを聞いた途端、有無を言わさず殺しちゃったわ」


 そんな笑顔で言うことか?

 頭痛を感じて額を押さえると、顔を見合わせた坂之上と勅使河原が笑い出したではないか。坂之上は遠慮なく爆笑し、勅使河原は袖で口元を隠し小さく含み笑っている。嫌そうな顔をしているのは社長だが、彼女は自分の庭を汚すなという思いが顔に出ていた。

 ……本当に、頭が痛い。異常者の集まりなのか、ここは?

 それとも自覚がないだけで、俺も異常者の一人なのだろうか。

 人が無惨な死体を晒しているのに、笑っている面々に対して嫌悪感も湧かないのだ。まるで親戚の子供が粗相をしたのを見て、少し困っただけのような心境なのである。


 アグラカトラがこちらを見る。俺は重苦しく告げる他になかった。


「――ご覧の通り困ったちゃんでして。そこのシスターの為に、部屋を一つ貸して頂けませんか?」


 社長は嘆息して、苦笑する。返事は是、だった。





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