第4話
「どうゆうこと?」
と俺は尋ねる。
「私はこの世界の人間じゃない。いい?今から言うことは全部本当の事。この世界はある分岐点をもって分岐していき、いくつも似た世界がつくられるの。私はそのこの世界じゃない、別の分岐した世界から来たの」
「分岐した世界?」
「そう。さっきもいったように、分岐点というものが存在するの。まるでゲームのセーブポイントのようにね。例えば、誰かが人を殺したり、テロを行ったりとかそんな行動だったりするの。でも、私の場合は違う。そんな事じゃない。もっと簡単な事」
「どんな事なんだ?全然話についていけないけど」
「このままだと私の世界の分岐点がなくなって、全部なくなっちゃう。私消えちゃうのよ!!」
彼女はそう言って俺に近づいてきた。思わず俺が肘を前に出すと、彼女の胸に当たった。
あったかくて、やわらかい。ほのかにいい匂いもする。
サボン系の匂いだ。俺は思わずうっとりする。
俺が再び彼女の顔を見ると、それは真剣な眼差しであった。
嘘偽りがないというより余裕がないような、切羽詰まってる感じである。
こう言う顔をしながら電波系の話をされると非常に困る。
どこまでが真実で嘘かも分からない。俺は頭が混乱した。
クラクラした。頭がクラッシュして、フリーズした。
「あーえーあ?」
俺の言葉など気にもとめず、彼女は続けた。
「そうして、私の分岐点を担当直入に言うわ。あなたのクラスの愛田鋼(あいだはがね)、彼女と付き合いなさい!それが私の世界の分岐点!セーブポイントなのよ」
俺のアホ毛が反応する。なんてこった。なんてこった!?
どうやら俺の頭も彼女の頭もおかしいようであった。とりわけ彼女はおかしいのである。
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