第2話
「はい?」
俺は思わず声が裏返る。
「あんたが家賀良人?」
「え?そうですけど、何で名前しってるんですか?」
俺は驚いて思わず尋ねた。
「え?あれ?そっか。ごめん忘れて。」
俺の質問は軽く流された。
「それより、ちょっと時間ある?あなたさっきハットトリック決めてたし、相当うまいでしょ?ちょっと・・・話そうよ。」
「いいですけど。そのぉ・・・」
「何?」
「どちら様ですか?」
「まあ、自己紹介も含めて、あそこのカフェで話しましょう」
そう言って俺たちは近くのカフェに行く事になった。
「改めまして、私の名前は瞳子流(ひとみこながれ)、よろしく」
「よ・・・よろしく」
俺は手を前に差し出す。彼女は首を傾ける。あれ・・・これ間違っている?
うん・・・彼女の反応見る限り、多分間違ってるわ・・・これ。
彼女の名前は、瞳子流。改めて彼女の容姿については、ここからは完全に俺の主観になる。
彼女は綺麗な長い黒髪で、目は大きくクリクリしており、唇は控えめの大きさ。顔は小さく、身長は俺より小さいが驚くようにスタイルがいい。
服装はセーラ服のようなワンピースを着ている。
見た目的にはドおストライク!!こんな可愛い女の子と一緒にカフェにいるなんて奇跡!!神様、仏様!
俺心の中でそう思っていると、近くで宗教の勧誘をやっているのがガラス越からでも伺えた。やべえ、今なら入っちゃいそう。
神様?信じちゃいますよ!!
「お待たせしました。」
間一髪のところでウェイトレスが俺たちの頼んだドリンクを持ってきた。
危ない・・・危ない。
「で・・・でもめずいらしいっすね。このゲームやってるの」
俺はとりあえず彼女と会話したいと思い、話を切り出した。
特に問題ないよな?多分・・・
「うん。私スポーツ系好きなんだ。特にこのゲームは爽快感があるし、得点を決めた時とか最高よね」
瞳子はそう言って指でシュートの真似をしてみせた。
いい!!思わず俺は心の中で親指を立ててしまった。そういう仕草いいです。
グッジョブ!!
「そ、そうだよね!俺もこのゲーム展開が早くてスムーズにすすむ試合展開とかも・・・」
俺は嬉しくなって会話が止まらなくなった。キモがられるかなと思ったが、俺の予想とは裏腹に彼女も乗ってきてくれて会話は盛り上がっていった。
そうして、はしばらく盛り上がっていると彼女は俺に連絡先を交換しようと言ってきた。
「ねえ、交換しようよ。私このゲームやってる友達いなくてさ。お願い!」
そう言って彼女は拝んだ仕草をしる。
初めての・・・連絡先の交換!?頭の中でビッグバンが起こった。新しい世界の誕生だ。俺は宇宙を彷徨っているのだが、そこに綺麗な青い星が存在していた。俺は宇宙を泳ぎながら星を目指す。しかし、星に近づくに連れて俺は落ちていく。落ちて、落ちて、沈んでいくと・・・
俺は湖に落っこちた。俺が湖から顔を出すとそこには、綺麗な女の子がいて・・・
「おーい。聞いている?」
彼女は俺の顔の前で手を振る。俺は意識が現実に引き戻され、はっとする。
やっべ、妄想の世界に旅立ってた。
俺のスマホに女の子の連絡先?交換しないわけがないじゃないですか!!
「え、全然大丈夫ですけども」
俺はそう言って彼女にスマホを渡す。それから中指の先で前髪をなでる。
「え?」
と瞳子は俺に尋ねる。
「え?」
と俺も尋ね返す。
「あ?そういうことね。はいはい」
そう言って彼女は俺のスマホを受け取り、連絡先を入れてくれた。
俺は彼女から受け取ると、確かに「瞳子流」という連絡先が入っていた。
「イエス!」
俺は小さく叫んでガッツポーズした。また、俺の中で世界が出来上がる前に彼女は話始めた。
「よし。そろそろ帰ろっか!また連絡するね、よしと君♪」
そう言って俺たちは解散した。ついに俺にも春がきたのであった。
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