第2話

15歳の夏。夏希と約束した、将来の夢

過去に囚われるのは良くないかも知れない。しかし何回も思い出してしまう俺は未練がましいのか


そうあの日、夏希は俺のまえから消えた

永遠に続くと思っていた夏が一瞬にして色褪せていった


誰かが人を好きになり、人を想うように、俺もあいつのことが―――


誰にもとられたくないと切実に感じた

どれだけ頑張ったって事実は変えられない――



    俺

「これは のものがたりだ」

    私









(あぁ頭が痛い。ちょっと飲み過ぎたな。ほろよいでここまで泥酔するとはな……。俺はもう25歳か…早かったがいろいろ楽しかったな―――!?)



〜2年後 17歳 部活中〜


最近俺、しゅうはとても身体が強張って動きにくい気がする。体調が悪すぎるせいだ。それも部活中に突然倒れるほどだ。


「おいしゅうしっかりしろ!」

「お…!しゅ…おい!」


だんだんと目の前の顧問の先生が不明瞭ではっきりとしなくなり、視界がシャットアウトした。


しゅう!そこの1年、早く救急車を呼べ!」





どこだここは?

目の前は白い壁だ。いや、天井か。となると俺は寝かされていたのか。


「あっ!目を覚ましましたか。ここでじっとしていてくださいね」


目の前の女性は看護服を着ていた。ということはここは病院か。


「先生を呼ばなきゃ」


――――――


約5分後先生と両親と合流した。


しゅう!大丈夫!?」


俺と目が合った母さんは、こっちに走ってきて、強く俺を抱きしめた。


「何もなかった?」


「あぁ…大丈夫だよ母さん」


「もうしっかりとしてね」


こっそりと涙を拭う母さん。


しゅう!」


母さんに次いでこっちに走ってくるのは父さんだ。


しゅう、心配したんだぞ」


「心配かけてごめん。父さん」


(あぁ…俺って家族に愛されているんだなぁ)


「先生。息子は…しゅうはなにかの病気なんでしょうか?」


母さんが俺の1番気になっていることを真っ先に聞いてくれた。


「ご家族と一緒に結果を聞きましょうか」


目の前が暗くなった気がした。

医者からわざわざ家族を呼んで、一緒に結果を聞くということは…


「落ち着いて聞いてください」

「息子様は狭心症です」


「狭心症って…そんな。息子はどうなるんです!」


「お母様落ち着いてください。まだレベルは1ですから今すぐ亡くなる訳ではありません」

「しかし…」


(そんな……俺は死んでしまうのか?こんなに突然と)

(嫌だこの先は聞きたくない!)


「息子様は、現在だんだんと動脈が縮んでいるので8年後にはもう……」


「「そんな……」」


母さんが床に膝をつけ、父さんは目を見開いてた。


同時に俺は既視感のある…視界が暗くなって、体が重力に逆らえなくなる。


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