第75話 ハートの水たまり

 週に数回、個別級に通っているY君の、登校の付き添いをしている。1年生の秋頃から始まった付き添い。Y君は今年4年生になった。

 今まで、ある箇所に行くと、その付近を通過するバスを見たいと言って、立ち止まってしまう事が時々あった。(詳細は、第61話 心の切り替えスイッチを参照下さい)一種の拘り。親御さんや学校からは「遅刻しても良いから、安全重視でお願いします」と言われているので、そのバスを見届けてから学校に向かっても良いんだけれど、そうなると、15分程遅刻する事になり、学校に着いてからY君が「やらないといけない事」に影響してしまう。それで、3年生の終わり頃に「Y君、もうすぐ4年生になるから、4年生の道で行こうか?」と言ってみたら、Y君は「4年生の道で行く」と納得してくれて、バスを見たくなる箇所を回避する事ができた。それ以降「4先生の道」を登校している。これは、凄い進歩だと思う。

 そんなY君が、今朝は、グランドに出来た水たまりを見て「ハートだね」と言った。本当に、ハート型の水たまりだった。Y君の成長ぶりに、感動して「私も、日々成長できる様に頑張ろう」と思った。

 

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