第74話 気になる3組

 新一年生が入学して、2週間程が経過した。今、気になる3組がいる。


①高学年の姉+一年生男の子

 お姉ちゃんの友達と、一年生の男の子で登校している。男の子は、あまり学校に行きたくなさそうで、泣いたり、駄々をこねたりしている。お姉ちゃんが、抱えたり、抱っこしたりして、お姉ちゃんの友達が、男の子のランドセルや手提げ袋などを持って、ゾロゾロと固まって登校している。校内に入ると、男の子は広い校庭を走って逃げる。お姉ちゃんが捕まえて、抱きかかえて下駄箱まで連れて行く。先生達が、見守ったり、声を掛けたりして、荷物持ちの友達も含めて、みんなでゾロゾロと教室につれて行く。

 この子が、どんな風に独り立ちをするのか、成長していく姿を見るのが楽しみだ。


②中学年のお姉ちゃん+一年生男の子

 お姉ちゃんと、その友達のグループの少し後ろを、一年生の男の子が追う様にして登校している。お姉ちゃんは、友達とのお喋りに夢中で、あまり弟を見ていない。先日は、信号が青になって、お姉ちゃんのグループは渡ったけれど、弟は間に合わなかった。すると、弟は、信号を見ないで道路に飛び出した。私は、直ぐに「危ない!」と言って止めた。そして「信号が赤は止まろうね」と言って、一緒に青になるのを見ていた。「学校、慣れた?」と聞くと「毎日○○先生に怒られる」とボヤいていた。信号が青になると、走りだし、お姉ちゃんの後を追いかけて行ったが、歩道ではなく、道路の真ん中を走っていた。

 しばらく、この子は、要観察だな、と思っている。


③一年生女子、仲良し2人組

 登校時間のピークを過ぎた頃、のんびりと歩いてくる一年生女子2人組がいる。お花を摘んだり、虫をみたり、椿の花を摘んで蜜をすったりしている。のどかだ。この、時間を気にしないで焦らない所が羨ましい。でも、もう登校時間は過ぎてますよ~と心の中で思う。一緒に、学校まで歩きながら、立ち止まらない様に促す。「今、何時?」と聞かれたので「8時25分です」と答えると、「私、このくらいの時間に起きた事あるよ」との事。「遅刻しても、先生何も言わないの?」「うん」だって。

 この2人組も、しばらく要観察です。

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