第35話 Y君と一緒に登校、初日
Y君と一緒に登校、初日。遅刻しない様に…と、朝から緊張する。
もう一人のボランティアさんと一緒に、Y君の自宅へ行く。暫くすると、Y君が出てきた。元気いっぱいだ。妹ちゃんは、ママの背中で爆睡している。
家から学校までに、何カ所か、Y君の拘りのポイントがある。例えば、家の外門は自分で開け閉めしないとダメ。自動販売機は全部のボタンを押さないと気が済まない。ママとはバス停でバイバイする。(ママは、バスに乗って妹を保育園に送って行くので)。赤と白のガードレールを「赤白赤白」と言いながら最後まで行く、等。
その拘りも、拘る日もあれば、拘らない日もある。
命に関わる危険な事や、人に迷惑がかかる事は、やらせない。でも、「ダメ」と言ってもきかないので「それは×(バツ)です」とか「それはブッブーです」と言った方が解るとの事だ。それ以外の事は、できるだけ付き合い、様子を見ようと思っている。
順調に歩いていたら、バスが来た。走り出すY君。皆で追いかける。本気で走られると、追いつかないな・・・・。バス停で「ママバイバイ」と言って、ママにバスに乗るよう促しているので、ここでママとバイバイする。が、今日は、ママは、忍者の様に隠れながら着いて来る。その後、Y君は、後ろを振り返る様子もなく、落ち着いて学校に向かい、何事もなく、時間通りに到着した。
私も、もう一人のボランティアの方も、Y君が、ごねる事なく、元気に登校してくれて、ホッとする。
その後、忍者の様にこっそりついてきたママと、「どうでした? 大丈夫そうだよね」と言い合う。妹ちゃんは、相変わらず、ママの背中で爆睡中。
今日のY君の様子から、未知なる可能性がたくさんありそうで、ワクワクした気持ちになった。本当に、すばらしい魂の持ち主だと感じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます