第17話 女性記者③

女は若い新聞記者である。


神がこの日本に居る。

いじめ症候群事件やここ最近の不可解な事件を考えて出た推論だ。


まだ上司にも同僚にも話していない。

話したところで鼻で笑われるだけだろう。


だが女は自分の第六感のような物を信じていた。

しかし野菜泥棒などをいくら探ってもここ数か月何も結果は出せなかった。


そんなある時、ふとインターネット上の地方紙に少し気になる記事を見つけた。

犬のフンを口に入れて救急搬送された人が居たのだそうだ。


ふと考える。そんな事望んでやるだろうか。

天罰的な何かだとするとこれが手掛かりになるかもしれない。


女は先輩に頼み込んでこの地方紙の担当記者を紹介してもらった。

担当記者は被害者の情報を掴んでいたが、記事以上の情報は話せないという。


担当記者の地方紙は女の新聞社の系列で力関係は圧倒的に女が上であった。

だがいじめ症候群事件以降、権力を後ろ盾に無理強いする行為はいじめとも言えるので、実質的に出来なくなっているのだ。


不思議な事に傷害や暴行事件などは無くなってはいない。

いじめの範疇に入らないからだろう。


それはともかく、会社からは下請けや関連会社へのいじめに類する行為は固く禁じられている。


だが女は土下座して頼み込み、なんとか救急対応した医療機関だけは教えてもらう事が出来た。


女の新聞記者としての戦いが始まったのであった。





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ファンタジー小説も書いています。

https://kakuyomu.jp/works/16817139558358317347

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