第14話 女性記者②

女は若い新聞記者であった。

日々ネットをチェックしていた女は一連の〈いじめ症候群事件〉=ネット上ではこう呼ばれている=も興味深く見守っていた。


箝口令が敷かれているが実は自社内でも発症者が存在していたのだ。

マスメディアでも隠すのか?と思わないでもない女であったが、新聞社では早いうちに〈嫌な奴〉だけが発症しているという噂を掴んでいた。


実際に発症した社員は良くない噂の者であった。

発症社員に過去に何人も嫌がらせで辞めさせたられた人がいると。


結局発症社員は回復せず退職に追い込まれた。

恨みを買いすぎて全員からは許しを得られなかったようだ。自業自得である。


女記者は考えた。やはりこれは天罰なのではないかと。

いじめを裁くなどという事は神様以外出来そうにない。


大学時代に少しかじったプログラミングに照らし合わせて考えると、どのような要素と判断でこの様な症状を起こす起こさないの判定処理が行えるのか?

他人に言えず隠している場合ある事なども考えると、とても人の技とは思えなかった。


一つ、本当に不思議なのは〈突発性ひと開口不全症候群〉の発症者は日本だけなのである。

海外で一つもいじめが無いとは考えられない。

なのに発症者が全くいない。

これが指し示す可能性は〈神が日本に居る〉事だと女記者は思った。


(野菜泥棒の事件から洗い直そう)

女記者はそう決意した。





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ファンタジー小説も書いています。

https://kakuyomu.jp/works/16817139558358317347

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