第12話 いじめ問題④
発症から11日目、〈突発性ひと開口不全症候群〉から回復した女子中学生が現れたという報告が政府に上げられた。
回復した経緯はこうだった。
女子中学生は発症のためずっと学校を休んでいた。
それを心配した近所の女子中学生がお見舞いに来た。
筆談しか出来ないが、発症者の中学生はお見舞いに来た中学生に涙ながらに謝罪した。
女子中学生はお見舞いに来た中学生をいじめていたのだ。
二人は和解したがその直後に回復した。
発端は女子中学生の好きだった男子がお見舞い中学生に告白した事だった。
お見舞い中学生は告白した男子を好きではなかったので振った。
女子中学生はそれが許せなくて物を隠したり陰口を叩いて仲間外れにした。
だがお見舞い中学生は女子中学生の幼馴染でもあった。
昔は一緒に市民プールに行って帰りに仲良くアイスを食べた事もある。
最近は口も聞いてくれない関係になってしまったがそれでも心配だった。
一度顔だけでも見ておこうとプリントを届ける係に立候補した。
プリントを届けて貰った女子中学生は相手の善意を感じ、過去の自分の醜い嫉妬による行いを恥じて後悔した。
そしてお見舞い中学生にいじめの経緯を告白して泣いて謝罪したのである。
お見舞い中学生も涙を流して許した。
私も悪かったと。
許し合った二人は泣きながら抱き締め合う。
すると泣き声が2つ聞こえるのに気づく。
なんと女子中学生の口がいつの間にか開くようになっていた。
〈突発性ひと開口不全症候群〉の症状から回復したのである。
ビックリして喜び合う中学生二人。
再度自分の口でも謝罪し許し合った。
今度は嬉し涙が混じっていた。
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