第4話 暴走スポーツカー

今日は男は休日だ。午前中は家族と買い出しに出掛ける。

一週間分の買いだめの為に、車で近場のショッピングセンターへ行くのだ。


幹線道路沿いに交通ルールを守り走る男。

速度も5kmを超過しないぐらいで安全運転だが、いきなり後ろからスポーツ車が凄い勢いで追いついてピタリと背後まで着けたかと思うと、今度は左車線に勢い良くウインカーも付けずに車線を変え突っ走る。


どうやらそのような運転をずっと繰り返しているらしい。

男は危ないな!と思った。

万が一当てられて家族が怪我をしたらと考えると怒りが湧いてくる。


「ふざけんな!コラ!自爆でもしろ!」

男はもう既に見えなくなった車に怒り、思わず声に出して言った。


自爆とは爆発する事をさしている訳ではなく、他車に絡まず電柱やガードレールで単独事故などを起こすという意味だ。


声に出した事でストレスを解消した男は、通常の気分に戻り運転を続けた。

2kmほど先に行ったところで随分車線が混雑している。

到達した現場を見ると先程の車が電柱に突っ込んでおり大破していた。


歩行者に怪我人は無く、奇跡的に運転手も軽傷であった。

運転手はこれからの手続きや賠償を思い、頭を抱えている。


あれだけのスポーツカーを自損事故で無くすとなると、多少保険が降りたとしても経済的には打撃があるだろう。

保険等級が下って今後の保険料も上がる。

男はまあ天罰だなと思った。


事故を目撃した人はスポーツカーが人に当たらないような急な角度から、太い電柱に突っ込んで行くのを見た。


それを不自然に思いネットに書き込む者もおり、それに対して天罰かも?と書き込む者もいた。





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ファンタジー小説も書いています。

https://kakuyomu.jp/works/16817139558358317347

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