臍帯ロープ
第12話 たまに動きますね
蘇った破壊神……名前なんだっけ? セットバリュー? ともかく復活した破壊神を秒殺してから3日が経過した。
あんなのを破壊神として恐れているとは、この時代の人間はどうにも貧弱だな。平和ボケして戦い方も知らないのだろうか。まぁ平和なのはいいことだし……今の時代はこれでもいいのだろう。
ご主人は無事補習を終えて、破壊神の件はといえば、
「とりあえず怪我人もなく、無事にシックザールは討伐できたみたい」
生徒会室で、
「でも……誰が倒してくれたんだろうねぇ……しかも一撃で」
「気になりますね……」
「
「たしかに」同意したのは副会長の
「そうだね……でも、じゃあ誰がやったんだろう?」
まさか
「……もしかして……」ほうじ茶を飲みながら、ポニーテールの大和撫子、
「幽霊?」興味を持ったのが、
「いますよ」
「へぇ……その幽霊さんは強いの?」
「最近……強い幽霊さんが住み着いたみたいです。もとからいる幽霊さんが怯えておられました」
「ほほう……幽霊界にも人間関係があるんだねぇ……」
それにしても幽霊か……私は霊感がないので幽霊の類は見たことがないのだが……強い幽霊ならば少し気になるな。機会があれば会ってみたい。
それから、
「
「あ……えっと、今日もちょっと用事があるみたいで」
ご主人は例によって補習である。補習と言わずに用事があると言ってくれるあたり、
まぁご主人が補習になったのは自業自得だし、配慮は必要ないんだがな。
「相変わらず
「はい。この間、クマのぬいぐるみをもらいました」
「もらった? 買ったんじゃなくて?」
「はい……前の持ち主が言ってたんです。急に動き出して気持ち悪いから、あげるって」
「急に動き出す? ぬいぐるみが? 本当?」
「たまに動きますね」当然のように言うな。「かわいいから問題ないんですけど」
「お、おう……相変わらず豪胆だね……」
「……?」
ぬいぐるみが動き出したら、もっと怖がったほうがいい。それはおそらく呪いや幽霊の類だ。手が出せない相手からは逃げたほうがいい。私ですら幽霊には勝てるかどうかわからないのだから。
物理攻撃が効けば余裕で勝てるんだけどな……猫の姿になってからというもの魔法が使えないし、身体能力も弱体化しているし……まぁ弱体化しても強いことに変わりはないんだがな。
「ともあれ……」
シックザールを倒したやつは
とにかく、破壊神も倒したし、しばらくは平穏だろう。1つ気になるのは最近住み着いた強い幽霊とやらだが……まぁ会うこともあるまい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。