第13話 そして、岡山着。
列車は上り列車としては最後のトンネルを超えた後、進行方向左側に旭川、右側には断崖絶壁をみる。
右側のこれは、時として倒木や落石による運休を招くシロモノである。
途中、旭川のはるか上を、高速道路が横切っていく。
断崖絶壁と天下の一級河川から分かれた列車は、玉柏駅を境に、徐々に住宅地へと突入していく。列車の勢いも、さらに増してくる。
そして、最後の停車駅、法界院に。
こちらの列車からの乗降者はなし。
ただし、後ろの2両には、岡山まで、あるいは岡山から先への客がどっと乗車するのが、この路線の「下り列車」の通常光景である。
そんな通常の世界から暖簾1枚で隔絶されたこの車両内は、そんな光景とは無縁のまま、降り支度もたけなわである。
列車は、定刻の12時50分に岡山到着。
清掃の従業員が乗車し、車内のゴミと汚れを片付けていく。
アテンダントの女性2名は、このあとの「4号」の準備に余念がない。
乗ってきた客は去り、ホームには、津山に向かう客が乗車を待っている。
乗車はしないものの、このピンク色の車体を持つ車両を被写体としてカメラを向ける人も、何人かいる。
次の折返し列車の出発まで、あと16分しか、ない。
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